平成30年6月28日(木)  目次へ  前回に戻る

夏至に一番近い満月は赤く染まることが多く、これをストロベリームーンと今はいうのだそうである。

今日はまた逃げの姿勢で過ごしてまいりました。人間ドックいろいろ指摘もありめんどくさい。

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今日は満月であった。

何以消上天之清風朗月。

何を以て上天の清風と朗月を消(しょう)せん。

天上のすがすがしい風と明るい月を適正に消費するには、何を以てすればいいだろうか。

酒盞詩筒。

酒盞(しゅさん)と詩筒のみ。

酒を酌むさかずきと書いた詩を入れた筒、であろう。

白楽天と友人の元稹は、それぞれに任地にいて、詩が出来るたびに竹の筒に入れてお互いに送りあった。これを「詩筒」という。

要するに清風朗月を見て時を送るには、酒と詩があれば必要十分だ、と言っております。

何以謝人世之覆雨翻雲。

何を以て人世の覆雨と翻雲を謝せん。

手のひら返しばかりの人間世界を避けるには、何を以てすればいいだろうか。

杜甫「貧交行」にいう、

翻手作雲覆手雨、 手を翻せば雲となり、手を覆(くつが)えせば雨、  

紛々軽薄何須数。 紛々たる軽薄、何ぞ数うるをもちいん。

 手のひらを上に向けると雲が湧き、手のひらを下に向けると雨になる(ように相手の貧富などの状態によってつきあい方をかえるやつらばかりだ)。

 こんな、どうでもよいような軽薄なやつらは、相手にする必要もないであろう。

ほんとでございますよね。

こんなひとたちとの付き合いを已めるには、

閉門高枕。

閉門して高枕せん。

門を閉ざして枕を高くして寝ていることさ。

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「酔古堂剣掃」巻八より。わーい、やっぱりそうか。では明日から閉門高枕します。閉門だから電話してきても出ませんよ。うっしっしー。

我が世をば望月と思ひしぶた貴族も、平家のかむろちゃんたちによって追い落とされたのである。ついでにモグもやられた。満月を見れば、現世に長くとどまることが無意味であるとの思いを新たにせざるを得ない。

 

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