令和2年6月10日(水)  目次へ  前回に戻る

食えるモノがかかってくれるとうれしいのでぶが。

久しぶりで汗と冷や汗をかいてますわー。

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旅の境遇が長く、

鏡中絲髪悲来慣。 鏡中の絲髪、悲しみ来たるに慣れたり。

衣上塵痕払漸難。 衣上の塵痕、払うこと漸く難しとす

 鏡の中のおれの白髪は悲しいが、その悲しみも日常化した。

 衣の上に旅の塵が振りかかり汚れを作っていくが、それを払いのけるのも難しくなってきた。

なぜこんな旅をせねばならないのか。

それにしても、

惆悵江湖釣竿手、 惆悵(ちゅうちょう)す、江湖の釣竿の手にて、

却遮西日向長安。 却って西日を遮り、長安に向かうことを。

 がっかりことだ。川や湖で釣り竿を握っていたこの手で、

 今度は西日を遮りながら、(西方にある)長安の都に向かわねばならんとはなあ。

「江湖の釣竿の手」を覚えておいてください。「気ままな隠者の生活」というような意味で時々使われます。わしにも江湖釣竿の手があるのになあ。

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唐・杜牧「途中一絶」旅の途上で作った絶句一首)。杜牧はこの時数えで49歳、希望して湖州刺史をしていたですが、長安に呼び戻されて、中央の職につくことになった。本人はあまり喜びを感じなかったらしく、この翌年病没した。

 

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