令和2年3月4日(水)  目次へ  前回に戻る

「ホーホケキョ」「何か鳴いているのでぶー」「あれは地獄鳥の呪いのさえずりでモグ」「ぶるるる、気絶するほど怖ろしいでぶー」

まだ水曜日。失敗もあって涙出る。

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今日も雨降りで、春は未だしの寒さでした。

寒山に登って修行しようと思っていたところ、先に行ったともだちから手紙が来た。

寒山多幽奇、 寒山には幽奇多く、

登者皆恒懾。 登者みな恒に懾(おそ)る。

「懾」(しょう)は、「おそれる」「おじけて失神する」。

寒山には、はっきりしないものや、ほかにはないようなものが多いので、

登山者はみんな、(何か起こるのではないかと)いつもびくびくしていて、気を失ったりする。

時には、

遥か下方に光るモノがあった!

妖かしのモノが泣き喚いた!

と思って気が遠くなったりするのだが・・・

月照水澄澄、 月照らして、水澄澄たり。

風吹草猟猟。 風吹きて、草猟猟たり。

「猟猟」(りょうりょう)は、「喨喨」と同じく、風が吹きわたる音のオノマトペとして使われています。

 澄み切った水面を月光が照らし出し、

 草をなびかせて風がりょうりょうと吹いていた―――

だけだったりする。ほかにも、

凋梅雪作花、 凋梅(ちょうばい)には雪、花と作(な)り、

兀木雲充葉。 兀木(ごつぼく)には雲、葉を充たす。

「兀木」は切株。葉がつくはずはありません。

花の凋んだウメに花が咲いているとみれば、それは雪であったり、

ごつごつした切株に葉がいっぱいだと思ったら、それは雲であったりする。

特に、

触雨転鮮霊、 雨に触るればうたた鮮霊なり、

非晴不可陟。 晴にあらざれば陟(のぼ)るべからず。

 雨に濡れると、(山全体が)いやましに鮮やかに霊性を持つ。

 晴れた日でないと、登ってきてはいけませんよ。

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「寒山詩」より。現世コワいので早く寒山に登って修行したいのですが、現世よりさらにコワくて気を失ってしまうほどなのはイヤなので、晴れてから行きます。もう少し暖かくなってから。

 

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