平成30年5月26日(土)  目次へ  前回に戻る

ニワトリでコケー! ナマケモノ、コアラ、モグの世界三大やる気無しドウブツに影響されず、勤勉にハタラいて領地を広げるでコケ―!

肝冷斎は寝てしまいましたので、「まさか今日は更新されることはないだろう」とタカを括っていた人が多いと思いますが、くっくっく。ふだんは肝冷斎本宗家に隠れて日の目を見ることのない影肝冷斎一族もいるのである。本家が寝ている十日の間は我ら影一族がやるのだ。

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とはいえ、本家と違ったことをやるわけではないんです。しかし少しでも変化をつけるために、今日は和文をやるぜ。

うっしっし。

〇乞食といふものは、ただ遊んで喰ひたいばつかり、仕事と名が附くとしとむながる(したくも無がる)。何ぞ一色頼んでごろうじろませ、大抵恩に着せるものじやない、骨惜しみするものは、皆こじきの下地じゃ。

親の手にあまり者ぞといふ人はあまり物喰ふ乞食とぞなる

すみません。ほんと「仕事」と名が附くとしたく無くなるんです。

〇庭鳥に鏡見せると羽を逆立てて憤(いか)る。猫がふき入つた鏡戸へ己が影のうつるを相手にして、毛を立て爪を立て嗔る有様、一切の事がみなこの方の影法師。

憎いかあい(可愛い)も、欲しいも惜しいも、影法師。

世の中は白黒赤(しろくろあか)く移り行くかがみひとつはもとの身にして

ニワトリもネコもオロカですからね。みなさんみたいに自分を客観的に見ることが出来る人は大丈夫でしょうけどね。

〇見世物の門を通る時、顔に袖をあてて行く御方がある。

「なぜそのようになされます?」

といへば

「イヤわたくしは銭が無いゆゑ、看板も見ぬやうにいたします」

というて、顔を隠してござる人がある。このような正直な人もあるものじゃ。

是と同じような事がだいぶんあるものじゃ。「本心」のはなしするといやがつて顔を隠して、逃げて去ぬ御方があるものじや。これらは生得(うぶ)に虫が嫌ふのじゃ。

このやうなは無理はすすめると、御病気が起こる、止めにするがよい。酒の嫌ひな人に、酒ばなしすると、胸悪がるようなもので、本心は嗅ぐもイヤといふが有るものじゃ、これはどうも仕様がない。

銭が無いときはどうしようも無いなあ。

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「松翁道話」より。未来のあるみなさんは、ときどきはこんなのも読んで勉強しなければなりません。おいらはもうダメだからいいけど。

 

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