平成29年10月11日(水)  目次へ  前回に戻る

秋を迎えたぶたたちの群像。背後から生きることへの不安や社会への恐怖の象徴?である巨大ニワトリが迫っている。

職業ツラい。今日もまた涙がにじむ。

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秋も深まってまいりました。野原に立って空を振り仰ぐと、

粛粛天気清、 粛々として天気清く、

哀哀鴻雁飛。 哀々として鴻雁飛ぶ。

 きりきりと引き締まって、すがすがしい天気になってきました。

 空には、かなしげな声をあげて雁が飛んできている。

草草日西頽、 草々(そうそう)として日は西に頽(くず)れ、

淅淅風吹衣。 淅々(せきせき)として風は衣を吹きぬ。

「草草」は「早早」と同じ。「淅淅」はしゅうしゅうという風や水の音を現わすオノマトペ。 

はやばやと日は西に傾いて落ちていき、

 さむざむと風はわたしのころもを吹きすぎる。

今日の日も、風も、去っていくのだ。

我亦従玆去、 我もまたここより去りて、

寥寥掩柴扉。 寥寥(りょうりょう)として柴扉を掩わん。

 わたしもまたこの場から去っていき、

 さびしげに(粗末な家に帰って)柴の扉を閉じてしまおう。

もう現世を去って自分の本来の家(あの世)に行こう、というのである。

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「寒山集」かと思いましたが、これは本朝の大愚良寛さんの詩です。良寛さんは歌人でもあるから、おそらく、

旅人の袖吹きかへす秋風に夕日さびしき山のかけ橋 (新古今巻十 藤原定家)

も踏まえていると思います。

毎日毎日涙にじむ生活も飽きてきたので、おいらもそろそろ行くことにしようかなー。でぶー。

 

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