平成28年12月19日(月)  目次へ  前回に戻る

.「ぶに・・・ぶに・・・」海面に浮かび上がったアンコウくん。水圧が急激に減って、ハレツして空気が抜けてしまったのだ!

ふがふが・・・。ちょっと目が覚めたが、カレンダーを見たらまだ冬至前だ。また冬眠に戻ります。

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唐の時代のこと、趙州従諗禅師のもとに、あるおえらい役人が参禅に見えて、禅師に質問した。

和尚還入地獄否。

和尚また地獄に入るや否や。

「和尚、あなたもまたジゴク行きなのでございますかな?」

いい質問である。それが証拠に禅師はうっちゃっておかずに、お応えになられた。

老僧末上入。

老僧末上に入る。

「末上」は当時の口語で、「最初に」の意。

「わしのような者こそ、最初にジゴクに行きますな」

「ほう」

おえらがたはまだ納得出来なかったのでしょう、続けて言った。

大善知識為什么入地獄。

大善知識、什么(しよう)に地獄に入るや。

「大いなる善知識(高い功徳を持つ僧侶)が、どうしてジゴク行きになるのですか?」

禅師、曰く、

我若不入、阿誰教化汝。

我もし入らずんば、阿誰(あすい)か汝を教化せん。

「わしがジゴクに行きませんでしたなら、誰があなたを教え導くんですかな?」

ここがジゴクだ、ということかも知れませんよ。

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「五灯会元」巻四より。

わざわざジゴクに目を醒まして戻って来る必要もございますまい。ゆえに、春になってから起きてくることにします。

「ぶにぶに」空気が抜けて陸上適応に成功したアンコウくん。しかしこの地上こそジゴクかも知れないのだぞ。

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