平成26年3月21日(金)  目次へ  前回に戻る

 

お彼岸だけど、今日も飲み会。

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閑話休題。昨日の続き。

・・・「ひかりの球」は、

自東南来、離地約三五尺。

東南より来たり、地を離るること約三五尺なり。

東南の方向から来て、地面から1〜2メートルのところを進んでいく。

ちょうど運河の上を、西の方へふわふわと飛んでいるのである。

ただし、この時点では、わしは

漕河有官舫往来、弗怪也。

漕河には官舫の往来有れば、怪しまざるなり。

運河では、まだ公用の船が行き来している時間でもあるから、おそらく船の灯りであろうと思って、特段不思議には思っていなかった。

ところが、ひかりの球は、

俄而化為数百盞、鱗次高下如一。

俄かにして化して数百盞となり、鱗次して高下は一の如し。

突然、ぱっと別れて数百の光る円盤となったのだ! ウロコのように並びつながり、一緒になって高くなったり低くなったりしたのである。

時月色正明、遠眺並無帆檣、亦不聞揚鈴声。始怪之。

時に月色正しく明にして、遠く眺むるに並びに帆檣無く、また揚鈴の声を聞かず。始めてこれを怪しめり。

このとき、月はほとんど満月で、皓皓と明るく光っていたので、その光をすかして遠くから見てみても、どうもそのあたりには帆も帆柱も見えない。また、船の移動の際に鳴らすドラの音もまったく聞こえない。ここに至ってさすがのわしも気味悪くなってきた。

「いったい、あの円盤は何だ?」

と―――

已而倏滅。

すでにして倏滅す。

突然、ひかりの球は一次に消滅した。

「消えた?」

と思ったが―――

倏一燈復起、更多於前。

倏(しゅく)として一燈また起こり、更に前より多し。

突然にまた、一つだけ球が現れ、それに続けて次から次へと増え始めて、さっきよりも多くなってきた。

「うわわわ」

と驚いていると、

頃之滅。

頃之にして滅す。

しばらくしたらまたすべて消えてしまった。

それきり、復活することは無かった―――。

さて、いったいこれは何であったのだろう。それから数十年になるが、わしはその類のものを再び見たことがない。

燈皆紅色、如人間蝋炬、非燐火也。

燈はみな紅色にして、人間(じんかん)の蝋炬の如く、燐火にはあらざるなり。

ひかりの球はすべて赤く、世俗のろうそくの灯の色のようであったから、(青白く光るという)いわゆる「火の玉」である燐の火では無かったのは確かである。

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清・徐崑国「遯斎偶筆」巻上より。

○○の話では・・・、とか、××のじいさんが・・・、といった伝聞では無くて「自分で見た」というのがすごく重要。ほかに例をみない迫真の証言である。

ということは真実であろう。NASAが正体を隠しているやつかな。最近(ウクライナの情勢悪化以来)、また多くみられるようになったということですからね。

 

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