平成25年3月8日(金)  目次へ  前回に戻る

 

東京ドームはすごい試合だったみたいでちゅね。こちらはテレビもラジオも無いから知らんが。

さてさて、昨日からコドモとなりてかれこれ24時間。コドモは楽ちいなあ。今日の晩ごはんは女人6人に囲まれて食べまちた。コドモだから許されているー。

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宋の淳熙十六年、桂林でのできごとでっちゅ。

司令官の応仲実は二人の兵士を山中に遣わして、建築用に巨木を伐り出すように命じた。

この木は現地では神木と崇められていたが、いやしくも大宋帝国の軍の御用に立てようというのである。

「タタリがありますかものう・・・」

と言う者はあったが、抵抗する者は無かった。

兵卒らは山麓の民家を宿泊地とし、翌日現地民どもを動員して山中に入ることとして、眠りについた・・・・。

夜半―――

うおおおおおおおお――――ッ!!!!!!

一人の兵卒が、激しい叫び声をあげた。

兵亦驚覚、問所以。

兵また驚き覚め、所以を問う。

もう一人の兵卒も叫び声を聞いて飛び起き、「どうした!」とわけを問うた。

叫び声をあげた兵士、恐怖に震えながら言う

夢神人持刀割去其腎。

神人の刀を持してその腎を割去すと夢みたり。

「い、今、夢の中で人ならぬモノが刀を持って現れ、お、おれのキンタマを切り取ったのだ!」

と。

「夢で?」

「た、たのむ・・・、き、きんたまがどうなっているのか、み、見てくれ」

おかしなことを言うものだと思いながらも、

急秉炬照視。

急ぎ炬を秉(と)りて照らし視る。

急いで松明を取ってきて、兵卒の下半身を照らして見た。

―――!

両腎已堕床下、流血如注。

両腎すでに床下に堕ち、流血注ぐが如し。

二つのキンタマはすでにベッドの下に落ちており、血がどくどくと流れ落ちていたのであった。

とにかくキンタマを拾い上げると、傷口を布で覆って、もう一人の兵卒と民家の者が交代で背負って城中に連れ帰り、ことの次第を司令官に報告した。

「夢の中に人ならぬモノが・・・? 何を言っておるのだ!」

応仲実はその供述を疑い、

送獄根治。

獄に送りて根治せしめんとす。

二人の兵卒と現地民を牢獄に送って、徹底的に調べ上げさせようとした。

しかし、

傷者吐曲折出腎示之。

傷者、曲折を吐きて腎を出だしてこれを示す。

傷ついた方の兵卒が前後関係を説明して、ふところからキンタマを出して見せた。

ので、その申し出が正しいことが証明されたのであった。

兵卒は半年ほどしてようやく癒えたが、

状貌全似宦官、遂不食肉肴云。

状貌すべて宦官に似、ついに肉肴を食らわず、と云う。

見た目はまったく宦官のようになり、またその後は肉料理は口にしなくなった、ということである。

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宋・洪容斎「夷堅志」巻十「桂林兵」より。

この事件、おいらはコドモなので「人ならぬモノ、コワいでちゅねー」と思って、でも痛そうでコドモ心にPTSDになって傷ついてしまいまちたが、オトナのみなさんはどう思いますか。

@   現地民が幻覚性の睡眠薬を混ぜておいて、タタリを装ってキンタマを切り落として脅しとしたのであろう・・・

A    兵卒は現地人のムスメを無理やりにやろうとしてベッドに・・・そのムスメが実はくの一で淫術を用いてキンタマを切り取られた。兵卒らは本当のことが言えず夢をでっち上げ・・・。このくノ一はマカオの南蛮司祭の降霊術によって天草四郎を孕んでおり・・・

B   二人の兵卒は以前から愛し合っており、いま以上に固く結ばれようとしてどちらかがおんなの体に・・・。

C   GHQの陰謀。さもなければ関東軍の謀略。

まともなオトナはどれを選ぶのかなー。

 

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