平成24年10月14日(日)  目次へ  前回に戻る

 

明日早いです。

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なのにある人やって来て、言う。

春秋二候、天気澄和。

春秋の二候、天気澄和なり。

「春と秋の二つの季節は、天の気が澄み、また和やかですなあ」

「そうですな」

ととりあえずすげない返事をしますと、その人、言う。

「この時期には、

人亦中夜多醒、万籟咸寂、月色当空。

人また中夜に多醒すれば、万籟みな寂として月色空に当たらん。

人間もよく真夜中に目を覚ましてしまう。すると、すべての物音が静まりかえっていて、空には銀色の月が輝いているのが見えたりするのですよ」

「はあ(発汗が減るため尿意により起きやすくなる傾向があるらしいが・・・)」

その人、続けた。

「そんなときには、

横琴膝上、時作小調、亦可暢懐。

琴を膝上に横たえて、時に小調を作せば、また懐(おも)いを暢(の)ぶべし。

琴を膝の上に横に置き、ときおり短い曲でもつま弾けば、こころもひろびろとしていくことでしょう。

そう思いませんか?」

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この人は明の大文人・屠赤水先生「考槃余事」巻二「論琴」より。

みなさんはどう答えておきますか。

A いや、今晩は台風のかぜがびゅうびゅうとうるさいですよ。

B 明日しごとが無ければね。

C 夜中に楽器弾くと近所が・・・家族が・・・。

D 眠い。

とにかく明日早いんで、もう寝ます。

 

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