平成23年12月15日(木)  目次へ  前回に戻る

 

今日は、去年まで一緒にやっていた仲間内とジンギスカン等を食っていた。少し心が開かれた。

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ニホン的なこと。

ニホン的といえば民謡ですよ。

ところで、民謡はいつごろ作られたのでしょうか。

たとえば熊本民謡とされる「東雲節」(しののめぶし)

何をくよくよ川端柳 こがるるなんとしょ

水の流れを見てくらす 

東雲のストライキ さりとはつらいね テナコトオッシャイマシタカネ

は、熊本・東雲楼の女郎衆のストライキを歌った歌だとされておって、その事件は明治三十三年(1890)に起こっているのである。

・・・というように、「民謡」というのはそのほとんどが、江戸時代末期に北前船が運んだか、あるいは明治期のものである。これに対し、大正末期から昭和中期にかけて作られ、作詞作曲者が明らかとなっているものは「新民謡」と呼ばれるのである。

中には大正初年の添田唖然坊作:流行歌「奈良丸くずし」

月が出た出た月が出た セメント会社の上に出た

東京にゃ煙突多いから さぞやお月さまけむたかろ  

が筑豊の「選炭場」で歌われていた「選炭節」

あなた三井のお役人 ヨイヨイ あたしゃしがない選炭婦 ・・・

と習合して、「お座敷歌・炭鉱節」

月が出た出た月が出た ヨイヨイ 三池炭鉱の上に出た

あんまり煙突が高いので さぞやお月さまけむたかろ サノヨイヨイ

となって、スコップで掘る形態模写を含んだ踊り付きの「福岡県民謡 九州炭坑節」として採録されたりするのである。(なお、改作者は伊田小学校教諭 小野芽香ともいう)

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などなど、民謡は19世紀〜20世紀の新しい歌だ、ということでした。服部龍太郎編著「日本民謡全集」(1965角川書店)など、より。

にしても、――てなこと、おっしゃいましたかねー。というフレーズは聴いているだけでハラ立ってきますね。来ませんか?

 

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