平成23年11月2日(水)  目次へ  前回に戻る

 

冥王星が準惑星とされて八惑星となっておりますが、年内にも巨大なる第九惑星テュケ(公転周期1800万年という)の存在がNASAから公表されるそうなのです。あと二か月以内だ。楽しみですなあ。

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今日は楽しいお話をしましょう。

みなさん、ドラゴンクエスト・シリーズに出てくるキングスライムを御存じですか。スライムが何匹も集まってきて、一塊になり、一体の巨大なキングスライムに変じる、というアレです。高い経験値がもらえますので出てくると楽しいですね。

その実例が過去に記録されていたのです。

元・至正九年(1349)のころ。

黄河流域・華北の鄜州路・孟皇村にて、石氏という民家では、三十箱のカイコを飼っておりました。

一箱に三百匹ほどのカイコの幼虫が入っていましたので、あわせて一万近い幼虫が、家の屋根裏のカイコ部屋にうねうねと飼われていた。

と、ある日、

其蚕忽変。万蚕合併為千、千化為百、百化為十、十化為一巨蚕。

その蚕、たちまち変ず。万蚕合併して千となり、千化して百となり、百化して十となり、十化して一巨蚕となる。

そのカイコたちが突然変化しはじめたのだ。一万のカイコがくっつきあって、千匹ほどになった。さらに千匹のカイコが百匹となり、百が十になり、十匹が一匹の巨大なカイコへと変じたのだ。

まさにキングスライムの生成とそっくりである。

この巨大なカイコの幼虫は、

大如瓜瓢。

大いさ瓜瓢の如し。

大きさは巨大なひょうたんほどにもなった。

カイコの幼虫は白くて、目のような模様のついたイモムシちゃん。それの巨大なのがうねうね。

やがて、このカイコの幼虫、成熟して動かなくなり、サナギとなって糸を吐き出しはじめた。

その糸の総量、

計重一十五斤。

重さを計るに一十五斤あり。

重さは、一斤=600グラムとして、十キログラムぐらいであった。

当時、このことは吉兆とみなされて、政府にも報告されたものでございます。

さて。

少し離れた河内郡の民家でも、サナギになって繭を作り始める直前の幼虫を箱に移し替えておいたところ、一匹一匹で繭を作らず、

共結成一幅、宛如旗状。

ともに一幅を結成し、宛として旗の如き状(さま)なり。

全体がつながって縦横に広がり、まるで旗のような状態につながったものになった。

なんとも不思議なことであった。

また、その近所では、

一家蚕数千万、共結成一繭、大如数石甕。

一家においては蚕数千万ともに一繭の大いさ数石の甕のごときを結成す。

ある家では、数千万のサナギが一つの巨大な繭を作ってしまった。その繭の大きさは、数石入りの甕ほどもあった。

こちらは幼虫としてはキングスライムのように一体化はしなかったのですが、繭は一体化したのだ。この時期の一石は100リットルぐらいである。

ああ、しかし、これらは

倮蟲之孽。

倮蟲(らちゅう)の孽(げつ)なり。

(毛の生えていない)イモムシのなす凶兆であったのだ。

やがて、元の力が衰え始めると、華北のこのあたりでは、小総兵の王保保と慶陽の李思斉という者が争い、兵火の中でこれらの村々は全村虐殺される羽目に陥ったのである。

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「草木子」巻三上より。なんと、キングスライムは内戦の前兆だったのですね。

天変と地異の相次ぐ我が国ですが、さすがに兵火の禍はあるまい、憲法九条あるし・・・などと、勝手に安心してしまっているオロカものはいねえべなあ?

(ちなみに、本日、福島第一原発第二原子炉で「自発的核分裂」が確認された。「自発的核分裂」?なんだ、それは?少し前まで「再臨界」といわれて恐れられていたものが二つに分類されて、おそろしい純粋の「再臨界」と怖ろしくない「自発的核分裂」に分けられたらしいのです。「巨人は他チームからFA制度を使って強奪、阪神は他チームからFA制度を使っての補強」みたいな、コトバで丸め込むのやめてくだちゃーい!)

 

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