平成22年10月8日(金)  目次へ  前回に戻る

涼しくなってまいりました。健康を壊すといかんので、医学的の勉強をするよー。

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A) 土虺蛇の咬傷の治療

土虺蛇(一名:禿虺蛇。まむしの属であろう)に咬まれると普通には治らない。毒が回って甚だしい害を為す。

治療の方法は次の二通りのみである。

@    用水牛耳中垢膩、塗咬処。

水牛耳中の垢膩を用いて咬処に塗る。

水牛の耳垢を咬まれたところに塗る。

毒の強い場合には何度も塗らなければならない。

A    急摘桑葉、取白汁滴患処。

急に桑葉を摘み、白汁を取りて患処に滴す。

急いで桑の葉を摘んできて、揉んで白い汁を出し、これを患部にしたたらせる。

勉強になります。

B) 鶴膝風の治療

鶴膝風になると膝が自由にならず、また痛む。

その治療法は次の一通りのみ。

以蝦蟇用碗鋒略破腹有縫不可穿、縛置患処、待動脅。移時受毒輙死。

蝦蟇の、碗鋒を用いて腹をほぼ破りて縫うあるも穿つべからざるを以て、患処に縛置し、動脅を待つ。移時毒を受けてすなわち死す。

ガマを捕まえてきます。そして、陶器の破片を使ってその腹にぐるぐる、と切り込みを入れる。ほとんど破れて内臓が出てきそうにするのですが、傷口を縫って破れないようにしておく。このガマを痛む部分に(腹を患部に当てるようにして)縛り付けておきます。

そうしておいて、ガマが脇腹を膨らませるのを待つ。

ガマが脇腹を膨らませると、すぐに(患部から出る)毒を吸収して死んでしまう。

死んでしまったら取り替えます。

不過二三枚癒。

二三枚を過ぎずして癒ゆ。

二三回取り替えると治ります。

鎮江に代々住む史という姓の外科医の家に伝わる治療法であるという。

これは「ひやっ」として効きそうですね。

C) 発背の治療

発背(背中にできるデキモノ)ができたときには、上のガマを用いた治療法が使えます。

その他に、次の治療法もある。

・蒼朮(黒みがかった「うけら」。野草の一種である)の皮を取り去ったもの

・地龍(ミミズのこと)

・塩をまぶした梅

をそれぞれ同量づつ集めて搗き、こねて泥のようにする。

これに

・猪胆(ブタのきも)

を混ぜる。

この練薬を

囲四周、空頭漸癒。

四周を囲めば、空頭して漸く癒ゆるなり。

できものの周囲に塗っておくと、できものの頭の部分がすかすかになり、治りはじめるのである。

これは査という道士が伝えていた治療法である。査道士が九十いくつまで生きていたのもその効果であったのであろう。

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以上、「戒庵老人漫筆」巻五より。真似しても構いませんが、結果にはセキニンはとりませんので念のため。

勉強になりましたが、中でもカエルを数える数詞は「枚」である、ということが、特に勉強になりましたね。それにしてもヘビの傷でなく心の傷は、どうやって治せばいいのだろうか。みゆきさんが知っているのカナ?

 

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