令和2年3月17日(火)  目次へ  前回に戻る

「こらー!!」なんという悪いオバケたちであろうか、お魔女さまの作っている毒料理を盗み食いするとは。しかし本当に悪いやつは・・・。

今日は会社に行きました。ほぼ何にもしていない。しかし、何にもしていないのは、少なくともマイナスではないんです。

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経営者のみなさん、みなさんのところには次のような方々はいませんか?

1 侵臣・・・事小察以折法令、好佼反而行私請。

小察を事として法令を折(くじ)き、佼反を好みて私請を行う。

こまごましたことをチェックするのを仕事だと考えて、基本の決まりごとを枉げてしまい、偽りごとや理に反することを好んで私的な欲求に沿って行動する。

2 乱臣・・・多造鐘鼓、衆飾婦女、故上惛。

多く鐘鼓を造り、衆く婦女を飾り、故に上惛ず。

鐘や太鼓をたくさん作り、多くの飾り立てた女どもに演奏させて、君主を混乱させる。

というやつらは、諂臣(へつらう部下)です。必ずどこにでもいるのでいること自体はしようがないのですが、

諂臣貴而法臣賤。

諂臣貴なれば法臣賤し。

これらの、君主を誤魔化したり諂ったりする臣下がえらくなると、公正なひとびとがえらくなれない。

という事態が生じてしまいます。

此之謂微孤。

これを「微孤」と謂えり。

彼らの仕事の結果を「君主の弱体化・孤立化」というのである。

3 愚臣・・・深罪厚罰以為行、重賦斂多兌道以為上。

深く罪し厚く罰して以て行と為し、賦斂を重くし兌(ぜい)道を多くして以て上の為とす。

罪を深く追求し、罰を重くして立派なことをしたとし、貢賦を多く納めさせ取税の方法を増やし、君主の役に立ったと考える。

4 姦臣・・・痛言人情以驚主、開罪党以為讎。

人情を痛言して以て主を驚かし、罪党を開きて以て讎と為す。

人間の心の暗部を暴き立てて君主に危機感を懐かせ、ことさらに異分子を仕立て上げて敵対する。

こちらのグループは、もっと困ったことに、

以非買名、以是傷上、而衆人不知。

非を以て名を買い、是を以て上を傷むるも、衆人知らず。

結果的に間違ったことをして名声を上げ、表面上は正しい事を主張して君主の権威を下げるのだが、まわりからはそうは見えない。

という形で君主の力を削っていく。

之謂微功。

これを「微功」と謂えり。

彼らの仕事の結果を「君主にとってマイナスの功績」というのである。

こちらはマイナスになってしまうので、より注意が必要です。

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「管子」第五十二「七臣七主篇」より。経営者のみなさんは、「うちにはそんな部下はいないなあ、うんうん」と思うと思いますし、絶対いないと思いますから安心してください。・・・でも、もしかしたら気づかないだけでいるかも知れません。わたくしのように何にもしていないのはまだましなのですぞ。

 

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