令和元年12月10日(火)  目次へ  前回に戻る

毎日寝ているのに何で眠いのだろうか。

まだ火曜日です。早く週末にならないかなあ。

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実は、山中の渓谷に隠棲している身ですから、平日でも週末でも同じなんですけどね。

今日もわしの庵から眺めていると、

潭澗之間、清流注瀉。

潭澗の間、清流注瀉す。

流れの澱んだ深い淵と、流れの速い浅い谷川とを繰り返しながら、清らかな水が注がれるように流れていく。

この山中では、

千巌競秀、萬壑争流。

千巌秀を競い、萬壑流れを争えり。

千を数えるぐらいの岩山がカッコよさを競って聳えたち、万を数えるほどの谷が流れる水の清らかさを争っているのだ。

うはは。

却自胸無宿物。

却って自ずから胸に宿物無し。

これはまた、おのずとわしの心には昨日から持ち越して来たような悩みも怨みもなくなってしまった。

さわやかなキモチだなあ。

漱清流、令人濯濯、清虚日来。

清流に漱げば、人を濯濯とし、清虚をして日に来たらしむなり。

清らかな流れで口を漱げば、人間はみんなぴかぴかに洗われて、すっかりからっぽになった心が、毎日やってくるのである。

そして、

非唯使人情開滌、可謂一往有深情。

ただ人情をして開滌(かいてき)せしむるのみならず、一往して深情有りと謂うべきなり。

「一往」はまっすぐ進んで顧みないこと。

このような自然環境は、ひとの心を開いて洗い清めてしまうのはもちろん、さらにずっと進んで、深い精神がそこにある、というべきであろう。

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「酔古堂剣掃」巻五より。みなさんもはやく山中に隠棲するといいですよ。冬は寒いと思われているかも知れませんが、暖かくしていれば大丈夫ですよ。これからまだまだ温暖化するみたいですし。

 

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