令和元年6月16日(日)  目次へ  前回に戻る

今日は東京は暑かったそうですが、こちらは雨降って寒かった。この年になりますと、雨は雨で懐かしいものですが。

体調どんどん悪くなってくるので早く寝たいんですが、PCもどんどん動かなくなってきているんで、いつ最後の更新になるかわからないので動くうちに更新しておきます。

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「蚘」(カイ)という虫がおります。今もいるかどうか知りませんが、紀元前3世紀の戦国時代のチャイナにはいたそうなんです。

この虫、

一身両口。

一身にして両口あり。

一つの体に口が二つあるんじゃ。

この二つの口は、食べ物を見つけた、と思って、

争相齕也、遂相食、因自殺。

争いて相齕(か)み、遂に相食らい、因りて自ら殺す。

争って互いに咬み合い、さらには互いに食べ合って、こうして自分自身を殺してしまうのである。

ああ。

人臣争事、而亡其国者、皆蚘類也。

人臣の事を争いて、而してその国を亡ぼす者は、みな蚘の類なり。

国家に仕える者が、政敵と事を争って、ついに国を亡ぼしてしまう―――こいつらはこの「蚘」の仲間なんじゃ。

へー、そうなんだ。ちなみに「蚘」は「蛔」(カイ)の別体字という説明もあるので、そうだとするとこの字は「回虫」のことです。

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「韓非子」巻七「説林下」より。国家有事の際に難癖つけて国を誤らせようとする政治家とか評論家がいたら、「回虫野郎」なんですね。

このままPCが壊れてしまうとこれが最後の更新になってしまうわけですが、最後に「回虫」の話をします。いま、風邪の症状だと思うんですが、腸がぎゅうぎゅうする感じで痛いんです。ふと小学生のころ、ちょうど梅雨のこの時節に、同じような症状になって、小児科の先生に「回虫」だと診断されて虫下しの薬飲まされたの思い出した。その後治らないので別の医者では腸炎ということになって、これだって何をどう診断したのかわかりませんが、とにかく食べ過ぎを止めるように言われたのじゃ! それからしばらくは食べ過ぎをさせてもらえなかったんです。わしにも心配してくれる親がおったんですなあ。もう五十年も前のお話ですが。

 

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