平成30年10月12日(金)  目次へ  前回に戻る

厖大な量のおにぎり型固形エネルギーを発見したぶたロボット。ぶたロボットの通常エネルギー効率からみて、これぐらいあれば七メートルぐらいは移動することができそうである。

食い過ぎて苦しいです。ぶたロボットではなく肝冷斎が。一両日中にハレツするかも知れないぐらいです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

戦国のころのことですが、

田需貴於魏王。

田需、魏王に貴ばる。

魏王は、斉から来た田需という貴族を尊重していた。

魏の国におりました説客の恵施(荘子の友人として有名なひとです)が、この田需さまのところに行きまして、忠告した。

子必善左右。

子は必ず左右に善くせよ。

「あなたは、必ず、王の側近たちとの人間関係をよくしておかねばなりませぬぞ」

「そうですか」

「くっくっく。よくお考えください。

今夫楊、横樹之則生、倒樹之則生、折而樹之又生。

今、かの楊は、横しまにこれを樹うるも生じ、倒しまにこれを樹うるも生じ、折りてこれを樹うるもまた生ず。

あのヤナギの木のことを考えていただきたいのですが、あれは苗木を横に植えても成長する。上下さかさまにして植えても成長する。折ってから植えてもやっぱり成長する。

という成長しやすい木であります。

ところが、

使十人樹楊、一人抜之、則無生楊。

十人をして楊を樹うるも、一人これを抜かば、すなわち生楊無し。

十人の人でヤナギを植えて行っても、その後からひとりがついて行ってヤナギを抜いていくなら、一本のヤナギも成長しないでありましょう。

ああ、

以十人之衆、樹易生之物、然而不勝一人者、何也。

十人の衆を以て、生じ易きの物を樹う、然るに一人に勝たざるは何ぞや。

十人の多人数で成長しやすい木を植えていくのに、たった一人が抜き始めたらそれに勝てないとは、なんということでしょうか。

樹之難、而去之易也。

これを樹うること難く、これを去ること易きなり。

植えていくことはある程度の作業を要しますが、抜き去るのは簡単にできるからです。

今子雖自樹於王、而欲去子者衆、則子必危矣。

今、子、自ら王に樹うるといえども、子を去らんとする者衆(おお)ければ、すなわち子は必ず危ういかな。

さて、あなたは今、王さまに信頼の木を植えて育てようとしておられるわけですが、あなたを退けたいという人は何人もおられる。その人たちがあなたのことをあしざまにいえば、あなたは危険な状態となりますぞ。

なのでございます、くっくっく」

「なるほど、よく考えねばなりませんなあ、うっしっし」

・・・・・・・・・・・・・・・

「戦国策」巻七・魏策上より。ようく考えねばなりませんぞ。・・・というわけで、しばらく山中の岩窟の中で考えてきますので、更新できません。もしかしたら考えている間にハレツして、ずっと考えているカモ。

 

次へ