平成29年8月18日(金)  目次へ  前回に戻る

ドウブツの世界も上下関係があってキビシイのではありますが、ニンゲンほどではないからニャあ。

そろそろ世俗社会から隠退させていただこうかニャ、と思います。たった一週間で疲れてしまいましたでニャあ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

現世におりますとニャあ―――、

枯藤老樹昏鴉、 枯藤、老樹、昏(くれ)の鴉、

小橋流水人家、 小橋、流水、人の家、

古道西風瘦馬。 古道、西風、痩せたる馬。

 枯れた藤の蔓、それが纏わりついている老樹、その老樹の枝に夕暮れに鳴くカラス。

 小さな橋、その下を流れる水、その向こうの貧しい人の家。

 古ぼけた道を西風が吹き、その中を歩み来る瘠せ馬。

その瘠せ馬の背にまたがって、背中を丸めているのはおいらだ。

夕陽西下、    夕陽西に下り、

断腸人在天涯。 断腸のひと、天涯に在り。

 夕陽は西に沈んでいく。

 はらわた断つほと哀しみに沈んでいるひと(=おいら)は、郷里を離れて、天の果てのような遠いところにいるんだ。

孤独なのだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

―――というような状態になってきましたので、そろそろお暇をいただこうと思いますのニャ。

なお、作品は元曲四大家のひとり・馬致「越調・天浄沙、秋思」(越調の「空の世界の清らかな砂浜」の節で、「秋の思い」)でした。人口に膾炙したという名作中の名作だそうです。確かにいいですよね、という気がします。

 

次へ