平成28年9月22日(木)  目次へ  前回に戻る

ときおり雲の切れ間から、あちら側が見えるときがある・・・気がする。

雨が降ってて閑なので、昼間から更新。

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龍牙居遁(りゅうげきょとん)の偈に曰く、

昔生未了今須了。 昔生にいまだ了せずば今すべからく了すべし。

此生度取累生身。 この生に累生の身を度取せん。

 これまでの生まれ変わりの中で、まだ悟ってないやつは今回悟ってしまうといいよ。

 今回の生まれ変わりの間に、これまでの何回もの生まれ変わりの自分を、悟りの世界に渡らせてしまおう。

悟ってしまうともう生まれ変わってこなくてよくなりますから、今回もいるやつはみんな悟ってないやつなんです。ブッダだけは悟っていても、みんなを救済するために来ている可能性がありますが。

古仏未悟同今者、 古仏いまだ悟らざるは今者と同じく、

悟了今人即古人。 悟了せば今人即ち古人。

 過去のお悟りになった方々(おシャカさま、ダルマ大師などなど)も悟っていないときはおまえさんらと同じじゃった。

 悟ってしまえばおまえさんらもおシャカさまらそのものに。

わーい、悟りさえすれば身分やこれまでの経歴や記憶やすべて乗り越えて、ホトケになれるんだ。

かくのごとく懺悔すれば、かならず仏祖の冥助あるなり。

このように心を入れ替えれば、必ずおシャカさまたちの「無意識下からのお助け」があって、みんな悟りに至れるよー。

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「正法眼蔵」第二十五「渓声山色」より。道元さまが「かならず仏祖の冥助あるなり」とおっしゃっておられます。そうかあ、これが「自力」ということなんですね。自分の力ですべてを獲得する、んではないようで、自分の力でやってると大きなものに助けてもらえるよー、ということのようです。

ようし、ではお迎えを待つまでもなく彼岸に向かって出(で)っぱつしましょー! 一緒に行く人は列の後ろの方に並んでねー。

なお、龍牙居遁は唐の末から五代にかけてのひと(835〜923)、曹洞宗開祖とされる侗山良价の法嗣(悟りを認められた直弟子)だそうです。会ったことないけど。でも前世のどこかで会ってるかも。

 

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