平成28年5月2日(月)  目次へ  前回に戻る

敗者は去るのみ・・・。

一日出勤しただけでもう疲れた。もう職業生活続けるのムリ。郷里に帰って日傭取りでもしながら晩年を過ごすしかないらしいのである。

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そこで、国に帰るひとの歌をうたうことにしました。

春欲暮、     春は暮れなんとして、

満地落花紅帯雨。 満地の落花は紅に雨を帯ぶ。

惆悵玉籠鸚鵡、  惆悵(ちゅうちょう)す、玉籠の鸚鵡、

単棲無伴侶。   単棲して伴侶無し。

 春ももう過ぎゆく季節、

 地に散り敷いた花びらには、降る雨さえも紅を帯びる。

 悲しいことだが、玉のかごに入ったオウムは、

 たった一羽きり、慰め合う相手もいない。

わびしく晩年を過ごすのに伴侶は要りませんよね。

↑のひとを見送る、思われ人の返しうた↓

南望去程何許、  南のかた去程を望めば何許(いくばく)ぞ、

問花花不語。   花に問うも花は語らず。

早晩得同帰去、  早晩に同じく帰り去るを得んとすれども、

恨無雙翠羽。   恨むらくは雙翠羽(そうすいう)の無きことを。

 南に帰ったあなたの、今の道のりはどれほどであろうか、

 花に訊いてみても花が答えてくれるはずはない。

 いつかはあなたと同じところに帰っていこうとは思うのだけれど、

 (飛び立つには左右の翼が必要だが、あなたが行ってしまった今は)

みどりの羽が一枚(わたしの分)しかないので、飛び立てないのがはかないの。

返しうたのオンナ、おそらく後は追いかけない、と思いますよ。わたしの人生経験からして。

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「花間集」より唐・韋荘「帰国謡」其一

「花間集」五代・後蜀趙崇祚の編、晩唐・五代の十八人の「詞」五百首を択んだ詞華集(アンソロジー)で、後代に大いに影響を与えたのである。

さあ、尾羽打ち枯らして国に帰ろう。電波も届かないからなかなか更新できないと思います。

お土産は何にしようかな。

おみやげはなーに? 「籠のオウム」

ことばもたった一つ、「いついつまでも」(藤浦洸「南の花嫁さん」(昭17))

みたいなメデたいのだといいんですけどね。

 

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