平成28年2月27日(土)  目次へ  前回に戻る

ブタとは仲良くなれるかも。ニンゲンとはムリかもだが・・・。右上部の文字については下記参照のこと。

今日は久しぶりで休日出勤。そのあと夜はこちらへ顔を出してきた。

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わたくし個人的には、来週ちょっと検査があって、それまで飲酒禁止ですねん。

一方、1700年ぐらい前、晋の貴族、

諸阮皆能飲酒。

諸阮みなよく飲酒す。

阮氏の一族は、みな酒飲みであった。

特に、竹林七賢の阮籍の甥で、彼自身も七賢の一人に数えられる阮咸、字・仲容

至宗人間共集、不復用常杯斟酌。

宗人の間ともに集まるに至るに、また常杯を用いて斟酌せず。

一族の間での集まりに出かけると、ふつうのさかずきを使ってさしつさされつ、なんてことはしなかった。

どうするかと言いますと、

以大甕盛酒、囲坐、相向大酌。

大甕を以て酒を盛り、囲み坐して、相向かいて大いに酌む。

でかいカメに酒をなみなみと入れ、それを囲むように何人かで座って、顔を突き合わせながら、そのカメから直接くみ上げては飲むのであった。

夜が更けて、大カメを囲む一族の者たちが次々と酔い倒れていっても阮咸は飲み続ける。

時有群猪来飲、直接去上、便共飲之。

時に群猪来たり飲み、直接去上し、すなわちともにこれを飲めり。

ある時、何匹ものブタが部屋に上がって来て、阮咸一人で飲んでいる大カメの回りに集まり、カメから直接酒を飲み始めた。

「ぶう、ぶう」「酒でぶう」「ぶっぶう」「そうか、お前らも飲むか」

阮咸はブタたちとともに飲み続けたのであったという。

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「世説新語」任誕第二十三より。ホントでしょうか。ホントならニンゲンとブタの共和国だ。解放戦線だ。

「共和国だ。」

どこかで、そうさけぶ声がした。労働するエネルギーの共和国がここにできあがったようであった。国助は窓の白紙にむかって、最後の気合をこめてとびかかろうとした。・・・そこには、ぶつかるものはすでになにも無かった。・・・(石川淳「鷹」(昭和28年))

最近風呂の中で久しぶりで夷斎道人・石川淳を読んでいます。漢文読んでいるよりオモシロいかも。

 

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