平成28年1月15日(金)  目次へ  前回に戻る

やっと週末。だが来週のこと考えると・・・。

花金ですから、お酒を飲んでいる人も多いかと思いますが、↓のように忠告しておきます。

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―――王さまが、おっしゃった。

王子・封よ。(注・王子・封は王さまのおじいさまの王子。王さまから見るとおじさまに当たります)

いにしえの人の言葉にこのようにあります。

人無於水監、当於民監。

人、水において監(かんが)みる無く、まさに民において監みるべし。

「監」は「鑑」と同じ。「鑑(かがみ)をみること。そのように観察したり、自省したりすること」。

水に映った自分の姿をよくよく見るより、人民たちをよくよく見てみるがよい。

人民たちがどう考え、どう行動しているか、は為政者にとってたいへん重要なことです。

かつて隆盛を誇った殷の国は天命を失って滅びました。

我其可不大監撫于時。

我、それ大いに監がみて、時(これ)を撫せざるべけんや。

わたしたちは、このことをよくよく観察しなければならない。人民たちを安んじなくてもよい、などということがありましょうか。

わたしはあなたに言っておきます。

これからあなたが赴任する地は、かつての殷王国の遺民たちの住む地です。あなたは殷の賢者たち、殷に附属していた侯・甸・男・衛の各地の領主たち、あなたを助けてくれる書記たち、そして臣下の百官たちを大切にしなければなりません。

また、あなたのしごとであるよき政治にいそしみ、相談役、教育者、諮問官にもつつしみぶかく対処せねばなりません。

中でも、飲酒には気を付けるように。(注・これは王子・封が飲酒するのを戒めているのではない。)

厥或誥曰、群飲。汝勿佚、尽執拘以帰于周。

それあるいは誥して曰く、群飲す、と。汝、佚するなく、ことごとく執拘して以て周に帰せよ。

誰かが「群れ集って酒を飲んでいるやつらがおります」と告げ口をしてきたら、あなたはこれを取り逃してはならない。みな捕らえて、周の王都、すなわちわたしのもとへ送致していただきたい。

予其殺。

予それ殺さん。

わたしはそいつらを殺しますから。

―――王さまは、またおっしゃった。

王子・封よ。

汝典聴朕リ。勿弁乃司民湎于酒。

汝、典(つね)に朕(わ)がリ(ひ)を聴け。乃(なんじ)の司民を弁(し)て酒に湎せしむること勿れ。

あなたは、つねにわたしの心がけに従っていただきたい。あなたの民を司る者たちを、酒に溺れさせることの無いように。

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お酒を飲んでると殺されるんですなあ。

「尚書」第十二「酒誥」(お酒についてのお告げ)より。この「王」は成王さま(文王の孫、武王の子)です。当時は殷の頑民(教化しようの無い愚かな人民)たちが「酒」を用いた場でいろいろ悪いこと考えたりしていたからなのでしょう。

 

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