平成27年3月18日(水)  目次へ  前回に戻る

(←ようく調べないとフェイク埴輪かも)

今日が金曜日かと思ったがフェイクで、金曜日は明日だったようです。

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唐が滅んだ直後の丁卯年(907)、四川の会昌廟の濠で、

岸側穴中亀生四亀。

岸側の穴中の亀、四亀を生ず。

岸壁の穴の中に棲むカメが四匹の子を生んだ。

これらの子ガメ、

各三二寸、背上有金書王字、大吉字。

おのおの三二寸、背上に金書の「王」字、「大吉」字有り。

いずれも体長7センチとか8センチとかの大きさであったが、みな背の甲羅に金色の「王」の字と「大吉」の字が刻まれていた。

誰かが

「これは瑞祥(よいことの起こる前兆)だ」

と言い出したらしく、みんなそんな気になって

「なんと縁起がよいのですかのう。株でも買おうかな」

「偉大な王が現れるのでしょう。平和になって商売もうかるぞ」

「いや、「王」というひとに吉福があるのでございましょう。これは乗っからねば」

とウワサしあった。

翌年、四川の僭主・王建は自ら即位して国号を「蜀」とし、「武成」の年号を立てた。いわゆる五代の前蜀国である。

ずっと後になって王建の評判が落ち始めると、「あのカメは王氏の配下が工作してあそこに置いたモノだったそうだ」というウワサも流れた。

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五代・杜光庭「録異記」巻五より。「明日が金曜日カモ」とウワサを立てれば、みんな「明日は金曜日」のつもりになって明後日が休めるカモ知れないので、おいらは毎日「明日は金曜日だ」と言っている。それぐらい追い込まれているのです。

 

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