平成27年2月2日(月)  目次へ  前回に戻る

長生きゾウさん

今日もどえらく寒かった。南国生まれにはツラいです。

・・・・・・・・・・・・・・・

紀元前3世紀、南の国・楚の貴族である屈原が、代々の楚王の霊廟に描かれている壁画を見て、

何所不死。長人何守。

何れのところにか死せざる。長人は何をか守れる。

どこへ行けば死なないですむのか? 「でかいひと」は、何を守っていたのか?

と謳った(「楚辞」天問篇)。

はあ。

死なないですむ場所なんてないし、「でかいひと」って誰かわかりません。屈原のあたま大丈夫か?

・・・と思っていたのですが、実はそうではなかったのだ。

ひとの死なないところ

が実際にあるのである。

不死民在交脛国東、其人黒色、寿不死。

不死の民は交脛国の東に在り、そのひと黒色、寿にして死せず。

不死民族は、脚が交差している民の住む交脛国の東に住む。その人民は色が黒く、寿命が長くて死なない。

と、「山海経」巻六・海外南経にちゃんと書いてあった。

晋の郭璞の注にいう、

有員丘山、上有不死樹、食之乃寿。亦有赤泉、飲之不老。

員丘山有り、上に不死の樹有りて、これを食らえばすなわち寿(いのちなが)し。また赤泉有り、これを飲めば老いず。

「まるおか山」という山があって、その頂には「不死の木」が生えている。その実を食らうと寿命が長くなるのである。また「赤い泉」という水源があり、その水を飲めば老いることが無い。

ところで、「長く生きる」とか「老いることない(老化がストップする)」ならわかるのですが、「死なない」ということがありうるのであろうか。

「死なないひとがいるはずがない」

という合理的な思想のもと、なんとか合理的に解釈するため、

@  不死」とは「不食」の仮借である。食べず飲まない人は寿命が長くなるのである。(高誘の注)

A  この民は父子相承けて同じ名を継ぐのだ。外人これをみて不死と誤解したのである。(近人・郭郛の解釈)

の二説がありますので念のため。

・・・・・・・・・・・・・・

いずれにせよ「不死の国」があることがわかりました。

では「長人」(でかいひと)とは?

しかし平日ですので明日のシゴトもあります。残念ながら今日はここまで。バッハハ〜イ。

 

表紙へ 次へ