平成26年7月30日(水)  目次へ  前回に戻る

←必死で冷房の効いた部屋に入る

やっと水曜日。もう毎日(大したことはしてませんが、なぜか)必死ですわー。昼飯の時間を確保する、とか、ひとより先に帰るとか、のために必死。こんなに必死でいいのか。必死はマズいよ。

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将に「五危」(五つの危ういこと)がある、と申します。

@   必死 (決死の覚悟でいること)

A   必生 (必ず生き残ろうとすること)

B   忿速 (気短かで怒りやすい)

C   廉潔 (利欲無くきっぱりしている)

D   愛民 (兵士を大切にすること)

「忿速」ぐらいはわかりますが、あとの四つも「危ういこと」とされるのか。

曰く、

必死可殺也、必生可虜也、忿速可侮也、廉潔可辱也、愛民可煩也。

必死は殺さるべきなり、必生は虜とさるべきなり、忿速は侮らるべきなり、廉潔は辱しめらるべきなり、愛民は煩わさるべきなり。

決死の覚悟でいると、駆け引きを誤まって撃破されてしまうであろう。

必ず生き残ろうとすると、果断な行動ができず取り囲まれてしまうであろう。

気短かで怒りやすいと、ちょっとしたことで軽侮されたと考え、危地におちいるであろう。

利欲無くきっぱりしていると、ちょっとしたことで屈辱を受けたと考え、危地におちいるであろう。

兵士を大切にすると、兵士の負担にならないかに気をとられて、効果的な用兵ができなくなるであろう。

およそこの「五危」は、

将之過也、用兵之災也。覆軍殺将、必以五危。不可不察也。

将の過ちなり、用兵の災なり。軍を覆し将を殺すは、必ず五危を以てす。察せざるべからず。

将たる者の過失であり、用兵上の害となることである。軍が潰滅する、あるいは将たる者が戦死する、といった事態に陥るのは、必ずこの「五危」のいずれかが原因である。よくよく注意せねばなりませんぞ。

なるほど。

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「孫子」九変篇・第七章

含蓄に富みますね。古代シナの賢者はほんとによくニンゲン、組織、用兵といったものの本質を観察しているものだ、とあらためて感心させられます。

みなさんも自分の将である上司の方々にこれを当て嵌めてみてください。「あ、これはこのひとマズいぞ」と思い至るところが必ずあるはず。いずれ潰滅し将は戦死するでありましょう。

なお、上司ではなく自分にあてはめてみてもいいのですが、わたしの経験則上、必ず自己嫌悪に陥りますので要注意。

 

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