平成26年6月17日(火)  目次へ  前回に戻る

 

今日は15年ぐらい前にお仕えした上司お二人にひょんなところで会った。お二人ともまだお元気で、お涸れにはなっておられないようでした。

さて、夏になってまいりました。各地ではカエルがうるさいことでございましょう。わたしの部屋のまわりも都会なのにカエルの声がうるさいなあ。それにしてもなんという種類のカエルであろうか。ケロケロともゲコゲコとも鳴かず、うう、ああ、うう、とまるで呻き声をあげるかのように鳴いている・・・。

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晋の時代のことだそうでございますが、当時浙江にあった楽安県の管内では

経荒乱、人民飢死、枯体填地。

荒乱を経て、人民飢死し、枯体地を填(う)づむ。

天候の不順と群盗の跋扈があって、人民どもが多く飢餓に死んで、骨になった死体が地面が見えないほどに散らばった。

そのまま誰も葬る者もない。

毎至天陰将雨、輙吟呻歎声、聒耳如蛙。

つねに天陰(くも)り雨ふらんとすれば、すなわち吟呻の歎声、耳に聒(かまび)すしきこと蛙の如し。

空が曇り、雨が降りそうな暗くじめじめしたときには、いつも苦しそうな呻き声が無数に起こり、まるでカエルの鳴き声のように耳を聾するほどであった。

そうです。

そんな声を聞くと、生き残った者もいたたまれずに、ふらりと姿を消してしまい、夜が明けると死者たちの間で冷たくなっていることがママあったという。

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六朝宋・劉義慶「幽明録」より。

むかしはコワかったんだなあ。

それにしても、うちの近くには池も田圃も無いのに、なぜこんなにカエルの鳴き声がうるさいのだ?しかも、うう、ああ、うう、とまるで呻き声をあげるかのように鳴いている。あんまりうるさいからちょっと覗きに行ってみるかな・・・。

 

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