平成25年5月9日(木)  目次へ  前回に戻る

 

腹痛い。休みたい。不安と恐怖以外の感情無くなってきた。

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↓これは何でしょう。

南方有飛虫。有翅如飛蛾、其尾如蟋蟀。色白身長、似小鰕。

南方に飛虫あり。翅有りて飛蛾の如く、その尾は蟋蟀の如し。色白くして身長く、小鰕に似たり。

南の国には蛾のように羽があり、コオロギのような腹を持つ飛び虫がいる。体色は白く、体型は細長く、見たところ小さなエビのようである。

地元の人たちはこれを「天蝦」(空のエビ)と呼んでいる。

この虫は、夏から秋にかけて

晩飛蔽天堕水。

晩に飛びて天を蔽い、水に堕つ。

夕方になると空も見えないほどに群れ飛び、水面に降りる。

このため南の国の川や池のおもては、この虫でいっぱいになるのである。

この虫には天敵がおります。

何ぞや。

人間である。

人間たちは虫が水面に降りるのを見届けると小舟を出し、

以長竹竿横江面。使風約之、如萍之聚。

長き竹竿を以て江面に横たえ、風をしてこれを約せしむれば、萍(ひょう)の聚まるが如し。

長い竹竿を水面に横たえて(枠にして)おくと、風によって虫は一か所に集まって行くのである。それは、浮き草が集まって行くのと同じだ。

これを舟の上から掬い取っていく。

この虫がまだうじょうじょと動いているのを、羽と肢を取って漬けこみ、腐らせて「熟れずし」にします。

味頗美。

味すこぶる美なり。

たいへんおいしい。

食べてみたいですねー。

なお、水に降りて一日経つと、虫は殻を残して空っぽになってしまっているので、必ず夜のうちに獲らないといけないそうである。

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宋・周去非「嶺外代答」巻十より。

この虫を発見すればそれ食べて生きていけるから会社行かなくていいね。毎日毎日「煮え湯」飲まされているよりは長生きできそうだし。

 

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