平成25年1月12日(土)  目次へ  前回に戻る

 

今日のしごと終わった。眠くてつらかった。

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昨日の続きです。♡♡♡「日本奇事」♡♡♡

日本では淫乱な風俗が大いに流行しているのでした。どのような風俗なのかな?

店女見行路之人、則出於路而請宿。請而不得則執衣。

店女、行路の人を見ればすなわち路に出でて宿を請う。請うて得ざればすなわち衣を執る。

店先の女は(白い足をちらちらさせながら)、道を行くひとを見つけると、すぐに路上に出てきて一泊していくように懇願する。懇願しても聴かないようなら、そのひとの着物を引っ張る。

そして

入店受其銭則雖昼従焉。

店に入りてその銭を受くれば昼といえども従うなり。

引きずられるようにその店に入り、いくばくの金を渡すと、真昼間からヤラせるのであった。

―――ああそうですか。あんまり驚かないな・・・。

まあ聞きなされ。

其州州村村皆辺海縁江、孕其江海之気。故其生女頗有姿色焉。

その州々・村々、みな海に辺し江に縁り、その江海の気を孕む。故にその女を生ずるや頗る姿色有るなり。

その国の町々、村々はみな海のほとりであったり川の側であったりするので、母親が身籠る時、川や海の湿っぽい気を受けるのだ。このため、女の子が生まれると、いずれも美しい外見になるのである。

―――江海の気をはらむと女が美しくなる理由はよくわかりませんが、それだけのことですか。

いやいや、さらに聞きなされ。

其男子年二十歳以下、学習於寺者、僧徒髠去眉毛、以墨画眉於額上、塗朱粉面、蒙被斑衣為女形、而率居焉。

その男子、年二十歳以下にして寺に学習する者、僧徒眉毛を髠去(こんきょ)し、墨を以て眉を額上に画き、朱粉を面に塗り、斑衣を蒙被して女形を為して、率(したが)いて居る。

二十歳にならない幼い男の子を、お寺で勉強させると称して、おっさんの僧侶たちは彼らの眉毛を剃り去り、墨を使って額に眉を描いて、頬には朱を塗り、模様のついた派手な服を着せて、要するに女装させ、その子を従えて暮らしているのだ。

これは「萌え」の世界で今や一ジャンルを築いている「男の娘萌え」である。

これというのも、

其王尤好少年、択入宮中。宮妾雖多尤酷愛少年也。国人傚之、皆如王之好少年焉。

その王もっとも少年を好み、宮中に択び入る。宮妾多しといえどももっとも少年を酷愛すなり。国人これに傚い、みな王の少年を好むが如くすればなり。

その国の「王」が少年をもっともお好きで、選抜して宮中にお入れになっているのである。宮中に女どもも多くいるが、少年の方がひどくお好きで、だからこの国の人はみな「王」の真似をして、少年を好むのだ。

この「王」は足利将軍(このときは義持さま)のことらしい。

其土風如此。

その土風、かくの如し。

日本の国ぶりはこのようである。

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ああやはりそう来ましたか。「衆道国家・日本」です。李朝・宋希m「老松堂日本行録」より。

ゲンダイにおいてアニメ・二次元・萌えなどで名高い日本だが、中近世アジアでは「衆道の国」♡♡♡として名高かったのだ。しかし老松堂先生も、「国の俗、女が倍す、ハアハア」と言い出しながら、結論的には「少年愛」ですか。よほど興味をお持ちになったのかな?

 

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