平成23年8月24日(水)  目次へ  前回に戻る

 

今日も頭痛。くしゃみとか出るので夏風邪かなんかではないかと思うが・・・。

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と頭痛に苦しんでいるのは、わしの傀儡の一体である三号機であろうか。わしの本体自身は体調が悪いとか健康上の理由がとかいろいろ事情を並べ立てて、ずっと休暇中です。

しかしさすがに退屈だしそろそろ東京に戻るか。

ちょうど一緒に帰ろうとする青年がいたので、青年に心境を歌わせてみた。

得間廿日去塵寰、  間を得て廿日(ねんじつ)塵寰(じんかん)を去るも、

嚢裡無銭自識還。  嚢裡に銭無くおのずから還るを識る。

自称仙人多俗累、  自ら仙人と称するも俗累多く、

黄金用尽出青山。  黄金を用い尽くして青山を出づ。

二十日ほどヒマだったので、世俗のニンゲン世界から遠ざかっておりましたが、

巾着袋の中にはもう銭が無うなりまして、そろそろ帰らねばならないと理解した。

自分では仙人のようなものだと言っているものの、まだまだ世間さまとのおつきあいもあるので、

黄金を利用しつくして、青々たる山から現実世界に下りて行くのだ。

「自」の字が二回出てくるのがちょっと気になりますが、口ずさみに作った詩だから仕方ありますまい。

なお、転句を

自ら仙人は俗累多しと称し、

―――自分で、「仙人というのは実は世間さまとのおつきあいが多いものなのだ」と言いながら、

と解するひと(例えば吉川幸次郎先生)もあるが、なんかちょっと違うような気がして上のように解した。

「まあいいや、これ、小遣いをやろう」

と言うて青年に東京までの切符代を出してやって帰ってきた。

ちなみに青年は漱石・夏目金之助、文科大学三年生。詩題は「帰途口号」(帰り道の口ずさみ)。明治23年9月、箱根山より帰郷の際の作である。

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さあ、東京に戻るぞ。

戻ってみたら、スパイみたいな「市民の○」のひとたちが与党議員の公設秘書に雇われていて、それもすごいことですが、なぜかそのことを○ンケイ以外のマスメディアが報じない、なんてひどい国には・・・なってないでしょうね、さすがに。

 

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