平成22年6月6日(日)  目次へ  前回に戻る

今日は所用にてヨコハマに行き、用を終えてから古書店に入ってしまいまして、ついつい三田村鳶魚翁の編したる「鼠璞十種」(江戸時代の随筆を集めたもの)全三巻が3,000円で出ていたので、買ってしまう。

買ってしまったあと後悔しまして、何でこんな重いものを担いで帰ってこなければならないのか、身の上を悲しみながら帰ってきたが、悔しいのでとにかく開いてみた。同書所収の「諸家随筆集」「村井随筆」「当年東武七奇」(=今年の江戸の七不思議)なるものが挙げられておりました。のでお耳汚しに。

以下はすべて寛政十年(1798)のこと。

○飛鳥桜返り咲き・・・谷中感応寺の桜、本年六月(陽暦七月ごろ)の真夏にさかりになる。

○八十歳の女、男女の双子を生むこと・・・本所にての事なり。また、麻布一本松水茶屋の婆々、九十二歳にて、名はかめ、本年六月朔日、男子を産む。その子、生まれ落ちて即座にものを言う。

○鯨品川の沖に入る・・・五月朔日、品川に鯨着く。長さ九間。

橘州、戯れの歌を作る、

大もりの名にも恐れず寄り来(く)じら とまる所にめしもりも有(あり)

(大森海岸の大きなもり(銛)という名前も恐れずにやって来たクジラ、泊まったところ(品川)には(宿場でサービスする)飯盛り女というもり(銛)もあるのだなあ。)

○狐と人と相対死(あいたいじに=心中)・・・赤坂にて、王子の狐が年頃の女と化して日本橋の料理屋金太郎と心中す。祇園(山王神社の祭り)の宵であった。

○出家、うしと成る・・・芝三田の魚藍観音の住職、牛となる。

○品川沖に琉球人着船・・・五月の末、鎌倉河岸にて生け捕り。夜ぶすま(←布団のこと)、大きさ八尺なり。

○六百歳の女出る・・・寿永三年の生まれのよし。奥州出身。

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琉球の布団がでかいのは不思議ですね。

この「村井随筆」をはじめ「諸家随筆集」に集められている何篇かの随筆は、毎年毎年の変なできごとを書きとめていて、海の向こう、シナの「三岡識略」などの「姉妹サイト」みたいでおもしろいですね。

 

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