平成31年4月29日(月)  目次へ  前回に戻る

キビシイ雪女先生によって鍛えられるアズキアライくんだ。やはり教育は大切である。

今日も一日、隠者として楽しく暮らしてしまいました。

「うーん、明後日には新しい元号になるんだし、もう少し自分自身を磨くような余暇の使い方はできんのかね」

と眉をしかめる人もいるかも知れませんが、努力することができないんです。これはもしかしたら若いころに受けた教育が悪いのかも知れません。

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そこで、今日は教育の方法について、賢者から教えていただきます。

明施舎以道之忠。 施舎を明らかにして以てこれを忠に道(みち)びく。

 どのような場面で人の面倒を見、どのような場面では放っておくべきかをわからせ、まごころを持って行動できるように導け。

明久長以道之信。 久長を明らかにして以てこれを信に道びく。

 長期間にわたって維持しなければならない物事があることをわからせ、人から信頼されることができるように導け。

明度量以道之義。 度量を明らかにして以てこれを義に道びく。

 正しい距離や量を測る方法をわからせ、正義に則った行動ができるように導け。

明等級以道之礼。 等級を明らかにして以てこれを礼に道びく。

 物事には必ず等級があることをわからせ、礼儀に則った行動ができるように導け。

明恭倹以道之孝。 恭倹を明らかにして以てこれを孝に道びく。

 へりくだって倹約し、私欲を減らすことをわからせ、一族の者に奉仕できるように導け。

明敬戒以道之事。 敬戒を明らかにして以てこれを事に道びく。

 失敗しないように警戒することをわからせ、事業に従事できるように導け。

明慈愛以道之仁。 慈愛を明らかにして以てこれを仁に道びく。

 いつくしみ愛することをわからせて、人間としての思いやりを持てるように導くんじゃ。

明昭利以道之文。 昭利を明らかにして以てこれを文に道びく。

 ほかの人に利益を与える方法をわからせて、文明社会に寄与できるように導くんじゃ。

明除害以道之武。 除害を明らかにして以てこれを武に道びく。

 悪いやつ怪しからんやつらを除く方法をわからせて、武断の行動ができるように導くんじゃ。

明精意以道之罰。 精意を明らかにして以てこれを罰に道びく。

 誠実に細心に物事を考えることをわからせて、罪ある者を処罰できるように導くんじゃよ。

明正徳以道之賞。 正徳を明らかにして以てこれを賞に道びく。

 正しい徳とはいかなるものであるかをわからせて、人を賞賛することができるように導くのじゃあ。

明斉粛以耀之臨。 斉粛を明らかにして以てこれを臨むに耀(あきら)かにす。

 一心を集中させて厳粛に行動することをわからせて、物事に臨む時にはどういう態度をとればいいか、明確にしてやるのじゃあ。

若是而不済、不可為也。

是くのごとくにして済(な)さざれば、為すべからざるなり。

こんなふうに教え導いてもダメなやつは、どうしてもダメなのじゃ。

「わーい、こんなにたくさん教えられませんよ」

「それはそうじゃ、これは君主となるべき少年を教える方法なので、すごくキビシイのだ。ふつうの人を教えるときはこれを参考にして斟酌しなければならん」

「なるほど」

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「国語」巻十七・楚語上より。楚の賢者・申叔時が、太子葴(しん)(後の楚の恭王。在位前590〜前560)の傅役となった大夫の士亹(しび)に告げた教育法の一部です。次の世代に教えを伝えることはたいへん重要なことなので、傅役のひとはたいへんだったんです。それにしても、なんと参考になるのであろうか。自分がなぜダメになってしまったかよくわかりました。いろいろ教育が足りてないんだなあ。

 

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