平成30年9月30日(日)  目次へ  前回に戻る

「フギャー!弱肉強食の世の中、次にやられるのは、おまえでニャース!」と悪の限りを尽くす悪のネコであった。

台風が来てます。深夜になってかなり荒れてきました。・・・しかし明日になると台風一過、晴れてふつうに平日が始まってしまうと思います。

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昨日の続きです。

一蛇長丈許、盤旋蛛網下。

一蛇の長さ丈ばかりなる、蛛網下に盤旋す。

2メートルもあろうかというヘビが、クモの巣の下にとぐろを巻いていた。

これを観察していたところ、

蛛大如銭、縁糸下垂、蛇昂首欲呑、蛛即縁糸上、蛇低首則又垂。

蛛は大いさ銭の如く、糸に縁りて下垂するに、蛇は首を昂げて呑まんとす。蛛は即ち糸に縁りて上り、蛇首を低(さ)ぐればすなわちまた垂る。

クモは大きさ銭ぐらいの直径(足を含まず)で、巣の糸にぶらさがってだんだん下がっていく―――すると、ヘビは首を持ち上げて口を開け、クモを食べようとする。即座にクモは糸を上って逃げる。ヘビは首を下げると、クモはまた糸にぶらさがって下がっていく―――。

如是六七次、蛇少倦、頭漸低、蛛疾下拠其顛。

かくの如きこと六七次、蛇少しく倦みて、頭漸く低きに、蛛疾く下りてその顛に拠れり。

こんなことを六〜七回も繰り返しているうちに、ヘビは少し疲れてきたのか、クモが下がってきても首をあまり上げなくなった。すると―――クモは突然、すばやく下りてきて、クモの頭の上に飛び乗ったのだった。

蛇狂竄跳擲、移時死。

蛇、狂竄して跳擲するも、移時にして死す。

ヘビは狂ったように逃げ、跳ね上がり、身をぶつけたりしたが、あっという間に死んでしまった。

クモは頭の上からヘビの脳みそに口の管を突っ込んで、「ちゅうちゅう」と脳みそを吸うのである。

・・・・・もう一つ、観察しました。

於破廟壁上見一蠍虎。

破廟の壁上に一蠍虎を見る。

壊れたお堂の壁に、サソリが一匹這っているのを見つけた。

しばらく観察していると、一方の側からムカデが出てきた。

与蜈蚣遇、直前噛蜈蚣首。蜈蚣急以箝夾其頸、相持不動。

蜈蚣と遇い、直前して蜈蚣の首を噛む。蜈蚣は急に箝を以てその頸を夾(はさ)み、相持して動かず。

サソリはムカデと遭遇すると、そのまま前に進んで、ムカデのあたまに噛みついた。ムカデの方もすばやく尾の先のハサミ状になった部分でサソリの頸部を抑えつけた。―――そして、両者はそのまま動かなくなってしまったのである。

じっと観察していても動かないので飽きてきて家に帰りました。

次日往観如故、試拂之、則両物随手落。倶斃矣。

次日、往きて観るにもとの如し。試みにこれを払うに、すなわち両物とも手に随いて落つ。ともに斃るなり。

次の日になって

「どうなりまちたかね?」

とお堂に行って観察したところ、昨日と同じ状態のままであった。

「なんと」

ためしに(棒を持ってきて)壁上の両者をつついてみたところ、突っつかれるに応じて、ぽろり、ぽろり、と落ちた。どちらも死んでいたのだ。

ああ。

以小制大、以弱制強。強大固可恃乎。

小を以て大を制し、弱を以て強を制せり。強大もとより恃むべからざるなり。

小さい方が大きい方を抑える。弱そうな方が強そうな方を制御する。まったく、強く巨大であるからといって、何の助けにもならないのである。

なるほどなあ。勉強になりました。おしまい。

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清・湯用中「翼駉稗編」巻六。すばらしい。昨日からガマガエルVSムカデ、ヘビVSクモ、ムカデVSサソリの三連戦でした。セイブツたちは激しく闘っているのだ。ニンゲンもかれらに負けないように、明日からの平日で、少なくとも相打ちには持ち込みたいところですね。というか行かなければ不戦敗で、それでもいいか・・・。

このような詳細な観察記録を遺してくれた湯用中さんに感謝したい。

 

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