平成29年12月27日(水)  目次へ  前回に戻る

キリギリスよ・・・。春に種を植え夏に汗を流さなかった者に、秋の実りや冬の安らぎがあろうはずがない。

今日も飲み会。よく食った。北海道料理おいしうございました。

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少し酔って気が大きくなっていたが、もう醒めてきた。落ち込んでまいりました。

古今難相知、 古今相知ること難く、

今古易相違。 今古相違うこと易(やす)し。

一酔古今是、 一たび酔えば古今是(ぜ)なるも、

一醒今古非。 一たび醒むれば今古非なり。

 むかしは今のことなど想像もできなかったし、むかしのことは今となっては理解しがたい。

 むかしと今は、お互いに違っていることが多いだろう。

 いずれにしろ、酔っているときは、むかしも今もそれぞれに正しいのだ、と思うのに、

 醒めてしまえば、今もむかしも間違いだらけと思うのだ。

そうなんです。もうイヤです。

懐古髪指冠、 古えを懐(おも)えば髪は冠を指し、

思今涙満巾。 今を思えば涙は巾に満つ。

古今不適意、 古今意に適わず、

眼中只風塵。 眼中にはただ風塵のみ。

 むかしの歴史的事件を思えば、なんということかと髪が冠を持ちあげるぐらい腹が立つ。

 現代の社会的課題を考えれば、どうすればいいのかと涙がハンカチをいっぱいに濡らす。

 むかしのことも今のことも思うようにはいかないのだ、

 目に見える世界は、風に吹かれる塵のように下らぬものなのだ。

まったくです。

談古人笑我、 古えを談ずれば人は我を笑い、

論今人毀我。 今を論ずれば人は我を毀(こぼ)つ。

古今不可言、 古今言うべからず、

黙黙我知我。 黙々として我は我を知る。

 むかしのことを語れば、ひとは時代遅れとわしを嘲笑う。

 今のことを論ずれば、ひとは見当違いとわしを攻撃する。

 むかしのことも、今のことも、語るべきではないのだろう、

 黙りこくって、自分のことは自分で理解していればいいのじゃよ。

わーい、大賛成。

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陸羯南「古今三首」「羯南文録」所収)。忘年会シーズンが続きました。一年間を振り返っても来年のことを考えても、酔っているうちは元気なのに、醒めてしまうとなぜだか元気が無くなってしまう毎日であったなあ。しかしそれでも反省と不安ばかりのふだんの日々よりはよかったかも。

 

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