平成29年4月17日(月)  目次へ  前回に戻る

覆面を外したぶた忍者。シゴトを放棄した者特有の爽やかな表情をしている。おいらも放棄して帰ってくればよかったなあ。

疲れました。なにしろ昨日の夜は金曜日に対して体重が2キロ+、今日はさらに1キロ+。からだが重くて動くのがツラい。腹が減っても余計な物は食べずに、家に帰って早く寝てしまう方がいい・・・とわかってはいるのですが、何者かに操られるように食わざるを得ないのである。

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春秋時代の賢君のひとり、晋の文公さま(在位紀元前636〜前628)が、なかなか自分の即位を認めない原(げん)という都市を征伐することにした。

令以三日之糧、三日而原不降。

令して三日の糧を以てするに、三日にして原降らず。

自由民から成る兵士らに、三日分の食糧を持って出陣するように命じたのだが、三日経っても原は降伏しなかった。

文公は

令疏軍而去之。

令して軍を疏してこれを去らしむ。

軍に撤収して引き上げるように命令を出した。

「少しお待ちくだされ」

牒出曰原不過一二日矣。軍吏以告。

牒出でて曰く「原、一二日に過ぎず」と。軍吏以て告ぐ。

スパイが出かけて行って、情報をもたらしてきた。それによれば「原はあと一二日で降伏いたしましょう」ということでございます、と、幕僚が文公に告げた。

しかし文公はおっしゃった。

得原而失信、何以使人。夫信民之所庇、不可失也。

原を得て信を失わば、何を以て人を使わん。それ、信は民の庇(おお)うところ、失うべからず。

「原のやつらを討伐できたとしても、信頼を失ってしまっては、今後どうやって自由民たちに命令することができようか。信頼というのは自由民たちが頼みにしているところなのだ。これを失ってしまってはならない」

乃去之。

すなわちこれを去る。

と言いまして、撤退した。

原の指導者らはそのことを聞いて、

「仁人なり」

と、ただちに城門を開いて追いかけ、

及盟門而請降。

盟門に及びて降を請う。

盟門というところで追いつき、降伏を申し出たのであった。

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「国語」巻十「晋語」四より。

食べ物が無くなったら余計な物を食わずに家に帰りましょう。

 

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