平成28年5月30日(月)  目次へ  前回に戻る

←こういう本当のことを知っているのでお偉方には嫌われたのであるのカモ知れない。

職業人として窮地にある上にまた重石のっけられた。これはもうあかんわ。

・・・・・・・・・・・・・・

唐・粛宗の至徳二年(757)、長安豊楽里の開業寺において、

閽人宿門下、夢一人長二丈余、披金甲、執銀槊立於寺門外。

閽人門下に宿するに、一人の長二丈余りなるが、金甲を披(き)、銀槊を執りて寺門の外に立つを夢む。

門番のじじいが門の番屋で宿直していたところ、5メートルもあろうかという人が、黄金の鎧を着け、白銀のほこを手にとって、寺の門の外に立った夢をみた。

(なにものであろうか)

と息をひそめていると、

その大きな人は、

俄而以手軋其門、扃鐍尽解。

俄かに手を以てその門を軋るに、扃鐍ことごとく解けり。

突然、素手を伸ばして閉ざされた寺門をこすると、かんぬきも金具もすべて外れてしまった。

大きな人は門を開けると、寺に入った。

門番のじじい、声も出せずに見つめていると、そのひとは

行至仏殿、顧望久之而没。

行きて仏殿に至り、顧望することこれを久しくして没せり。

仏像の祀られている正堂まで行くと、振り返って遠くを眺めていたが、しばらくして消えて見えなくなってしまった。

(むむむ、いったい・・・)

門番のじじい、飛び起きた―――!

・・・と思ったら、ちょうど夜が明けた。

視其門已関矣。

その門を視るにすでに関されたり。

開かれたはずの門を見たが、すでにカンヌキがかかっている。

(なんじゃ、夢を見ただけか・・・)

ところが、門から仏殿の方を振り向いてみて、驚いた。

有足跡甚長、自寺外門至仏殿。

足跡の甚だ長きが、寺の外門より仏殿に至るまで有りき。

門から仏殿のところまで、たいへん大きな足跡が残されていたのである。

「うわー! みんな来てくれー!」

大騒ぎになった。

衆往共視、見神人之跡。告於京兆尹。

衆往きてともに視て、神人の跡を見る。京兆尹に告ぐ。

寺の僧衆らが出てきて、みな仔細に調べて、神聖なるひとの足跡を見た。そこで、首都の長官にご報告した。

長官はたいへん珍しいことだというのでその足跡を書面に書き取らせ、それはしかるべきところに伝えられて、やがて帝のお耳にも達した。

帝が信頼する宦官を派遣して実地に調べさせたところ、

果如其言。

果たしてその言の如し。

確かにそのことばのとおりであった。

という。

・・・・・・・・・・・・・・

唐・張讀「宣室志」巻二より。

「うわー! みんな来てくれー!」

と騒ぎたいぐらいツラい新たな仕事が入ってきた(叫んだとて誰も来てくれぬが)。とりあえずいつでも出せるように「進退伺」は書いたのでいつでも出せるが、仕事はしたくないなあ。

 

次へ