平成27年12月10日(木)  目次へ  前回に戻る

今日のお話はコワいでがお。

本日はお好み焼き食べました。満腹した。が、明日もまだ平日か。

・・・・・・・・・・・・・・・

今日のお話は恐ろしいお話でございます。

晋の時代、赭圻鎮の参軍・何某が午前中に外出して、

行于田野中、溺死人髑髏上。

田野中に行きて、死人髑髏上に溺す。

野原を行く途中に、ニンゲンのドクロがあったので、それに小便をひっかけた。

それから用務を終えて、

還昼寝、夢一婦人語。

還りて昼寝するに、一婦人の語るを夢む。

帰宅し、家で昼寝していると、夢の中に女のひとが出てきて、語りかけた。

その言にいう、

君佳人、何以見穢汚。暮当令知之。

君佳人にして何を以て穢汚せらる。暮れにまさにこれを知らしむべし。

「あなたは立派な地位のあるお人でいらっしゃいますのに、なんであんな汚いことをなさりましたの? 夕方には、あなたに思い知らせてやりますわ」

と。

昼寝から覚めた何参軍、夢の中での出来事、半ばは忘れてしまって夕方になった。

さて、何の住処は壁に穴があいていた。

これは

作溺穴。

溺穴と作す。

この穴から外に小便をするためであった。

参軍は、

其夜、趨穴欲溺。

その夜、穴に趨りて溺せんとす。

夜になったころ、穴のところへ行っておもむろにおしっこをしようとしました。

「よいしょ、と」

とナニを穴から出してキモチよくおしっこをしていると、

激痛が走った。

「うぎああああ!」

という何参軍の断末魔の叫びを聞いて、近所のひとが駆けつけると、

虎来齧断陰茎。

虎来たりて陰茎を齧断せるなり。

トラがいて、穴から出ているものを不思議に思ってかじり取ったのであった。

ひとびとが集まってきたので、トラは慌てて逃げて行った。

「大丈夫か?」

ひとびとが助け起こそうとしたときには、何参軍は股間からおびただしい血を流して、

即死。

即ち死せり。

もう死んでおった。

という。

・・・・・・・・・・・・・・

南朝宋・劉義慶「幽明録」より。

ああ恐ろしい。明日もまだ平日でツラいしごとがあるので恐ろしいが、それと同じぐらい恐ろしい。

 

次へ