平成27年9月16日(水)  目次へ  前回に戻る

トラでなく竜相手だったら戦う気も起きないのカモ。

本日は若いひととピザ食った。ピザうまかった。しかし会話的には暗い話題ばかりしてしまう。↓のようなドキドキワクワクする話をすればよかったのダガ。

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明の時代のことです。

江蘇・宜興の阮二という男は拳法の達人であった。

弘治乙卯年(1495)秋のこと、阮二が川仕事の帰りに小舟を操っていたところ、

遇虎突入舟中。

虎の舟中に突入するに遇う。

突然、トラが舟に飛び乗って来たのだった。

「!」

阮逸登岸、持一大石約至数歩而伏俟虎。

阮、逸して岸に登り、一大石を持ちて約して数歩に至りて伏して虎を俟つ。

阮はとっさに岸に飛び上がって逃げると、大きな石を一つ手にして、かがんで川べりに数歩のところまで近づくと、そこでトラの乗った舟が近づくのを待ち伏せした。

舟が近づくと、

出直前、騎虎。

直前に出でて、虎に騎る。

舟に飛び乗り、トラの目の前から背中に飛び乗った。

「うおおん!」

トラは慌てて背中に載った阮二を威嚇したが、

不能転顧。

転顧するあたわず。

後ろを向いてかみつくことができない。

阮二はトラの背中で、

左手拠其毛、右手撃其脳。

左手にてその毛に拠り、右手にてその脳を撃つ。

左手でその毛をひっつかみ、右手に持った石でトラの頭を殴りつけた。

「ぶおおお!」

虎為跳躍、阮直不下。

虎、跳躍を為すも阮直ちには下らず。

トラは苦し紛れに飛び跳ねたが、阮は背中にしがみついたままであった。

「逃すものか!」

さらに数度殴りつけると、

「ぼこん」

脳穿虎死。

脳穿たれて虎死す。

頭に穴があいて、トラは死んでしまった。

勝ちました。

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明・侯甸「西樵野記」より。

昨日、ひとを襲った秋田犬と格闘した警察官が拳銃を使った、というので「なぜ素手で対応できなかったのか」と県警に苦情がすごく来ているんだそうですが、拳法の達人・阮二でさえ石を使っているようですので、ご参考までに。「憲法の達人」だったらチャイナの暴発でも止められるカモ?

 

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