平成27年8月17日(月)  目次へ  前回に戻る

明日の朝起きたらまた会社。ほんとに出勤できるか?

お盆も終わり、また「充電した」おえらがたたちが働きはじめています。どう対処していけばいいのかおろおろするばかりです。桃源郷に亡命するしかないのかも・・・。

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せっかく新宮まで行きましたので、南宋末に元の弾圧に抗して我が国に亡命してきた無学祖元禅師が、弘安四年(1281)、熊野新宮に寄せた一首。「先生」とは徐福先生のこと。

先生採薬未曾回、 先生、採薬していまだかつて回(かえ)らざるに、

故国山河幾度埃。 故国の山河、いくたびか埃たる。

今日日香聊遠寄、 今日の日香、いささか遠く寄せん、

老僧亦為避秦来。 老僧また秦を避けんがために来たる。

 徐福先生は紀元前三世紀に、仙薬を探すために東海に出かけ、十三世紀の今まで二度とチャイナには帰って来ていない。

 その間に先生のもとの國、チャイナの山や川は(そして王朝や支配民族も)何度となく土埃になって壊れてしまった。

 さて、本日、毎日先生の霊前に奉祭するためのお香を京都の地から送らせていただきます。

 この老いたる僧侶、わたしもまた、おそろしい秦の権力(←元を譬える)を避けて、この東海の國に亡命してきたのでございますから。

徐福は秦の始皇帝から資金と人材(童子童女たち)を出してもらって東海・蓬莱に仙薬を採りに出たのであって、秦を避けた亡命者ではありません、が、そこらへんはいいんです。正義の味方・天草四郎とか自由人・坂本竜馬とかが許される歴史修正主義のわれらが時代においては。

明日の朝起きても「これは悪夢だ」と思ってまた寝ることにします。

 

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