平成27年7月2日(木)  目次へ  前回に戻る

湿気により体力を失うのみならず、

長時間勤務で疲れました。腹も減った。

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杖而立者、飢也。

杖して立つ者は飢えるなり。

杖にすがって立っているのを見たならば、(彼らには)食糧が不足している(と考えよ)。

ほんとフラフラです。

汲而先飲者、渴也。

汲みてまず飲む者は渇するなり。

水を汲む作業をしている者が、水を運ぶより先にまず自分で飲んでいるのを見たならば、(彼らには)飲料水が不足している(と考えよ)。

のども渇きましたね。

見利而不進者、労也。

利を見て進まざる者は、労(つか)るるなり。

進めば有利になるのに進まないのならば、(彼らは)疲労している(と考えよ)。

有利だろうが不利だろうがもう進めません、というぐらい疲労しています。

鳥集者、虚也。

鳥の集まるは、虚なり。

鳥が集まっているようなら、(その場所は捨てられていて)空っぽである(と考えよ)。

はあ。

夜呼者、恐也。

夜呼ばう者は、恐るるなり。

夜中に声を上げる者がいたら、(彼らは)恐怖にかられているのである(と考えよ)。

なぜかといいますに、

@  後漢・曹操(←三国志の英雄です)の説

軍士夜呼、将不勇也。

軍士夜呼ぶは、将の勇ならざるなり。

兵隊どもが夜中に声を上げるのは、(管理する立場の)将校たちに断行する力が無い証拠である。

A  盛唐・李筌(←道教の学者です)の説

士卒怯而将懦、故驚恐相呼。

士卒怯にして将懦、故に驚き恐れて相呼ぶなり。

兵隊どもはたるみ、将校たちは弱気なので、(何かあると)びっくりして恐ろしがり、(「助けてくれ」と)お互いを呼びあうのである。

@  晩唐・杜牧(←官僚、詩人、ロリコンです)の説

恐懼不安、故夜呼以自壮也。

恐懼安んぜず、故に夜呼びて以て自ら壮とすなり。

おそれおののき不安であるので、夜中には声を出して自分を元気づけるのである。

一応、@が通説らしい。

これは相手の軍隊の様子を推察する法である。

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「孫子」(行軍篇)より。

いたずらに兵士を疲れさせるばかりの組織ではいけません。と思いますがネ。

 

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