平成27年1月25日(日)  目次へ  前回に戻る

いつまで冬が続くのか・・・

ところで、今日、昼間の星が見えたひといますか。

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常星昼見、陰勝陽衰、則星日併見併出、而争明。

常星の昼見(あら)わるるは、陰勝りて陽衰え、星・日併せ見われて併せ出で、明を争うなり。

恒星が昼間見えるのは、陰の気が成長し陽の気が衰えたため、星と太陽が同時に出現して、明るさを争っているという状況である。

天文にこのような状況が現れたなら、地上においては

武弱文強、武女子出為兵喪大水奸臣、上不明下縦横。

武弱く文強まり、武女子出でて兵喪・大水・奸臣を為し、上不明にして下縦横せん。

武力が弱体化する一方、文官たちによる権力争いが強まり、また強力な女性が現れて、その政治指導のもとで@軍事的行動、為政者の死、A大水害、B奸悪な者による政治の壟断が起こるであろう。

あるいは星が見えただけでなく、虹も見えたらもっとマズい。

星昼見虹不滅異人生、明奪日光天下乱大臣皇后弄政。

星、昼見われ、虹滅びず、異人生ずれば、明、日光を奪いて天下乱れ、大臣・皇后政を弄す。

昼が昼間見え、虹がいつまでも消えず、異常なひとが生まれたら、それらは日の光より明るく輝こうとするものであるから、天下は乱れ、大臣やおきさきが(王から政権を奪い)政治をほしいままにすることとなろう。

昼間星が見えてしかもそれが落ちて来たらすごいマズい。

星昼隕、曰営頭。或有声如雷、野雉皆鳴群鳥尽驚、所墜之地大戦、覆軍、流血千里。

星、昼隕(お)つるは「営頭」と曰う。あるいは声有りて雷の如く、野雉みな鳴き群鳥ことごとく驚きて、墜つるところの地に大いに戦あり、軍を覆(くつがえ)し、流血千里ならん。

星が昼間落ちてくる現象を「営頭」という。このときはカミナリのような音がとどろき、野生のキジがなきわめきあらゆる鳥が騒ぎ立てることがあり、その星の落ちたあたりでは大戦争が起こって軍隊が全滅し、千里にわたって血が流れることであろう。

若六七八九昼見墜地、為喪及旱、流血民饑。

もし六・七・八・九の昼見(あら)われて地に墜つれば、喪と旱を為し、流血して民饑(う)えん。

もしも昼間に6〜9個の星が出現して地に落ちたりしたら、為政者の死と旱害が起こり、血は流れ人民たちは飢餓に苦しむであろう。

さらにさらに、

若昼見横天明者、臣下図議、誅罰忠良。

もし昼、天に横たわりて明らかなる者見(あら)わるれば、臣下図議し、忠良を誅罰せん。

もしももしも昼間に空を横断して明るいものが見えたならば(←彗星のようなものをいうか?)、臣下のものが何かを謀議しはじめ、また忠義の者が死刑になることがあろう。

若夕見而前後向者、若為大臣有逆謀。

もし夕べに見われて前後に向かう者あらば、大臣の逆謀有るを為すがごとし。

もし夕方に(星が)出現してどちらかに動くようなことがあったら、大臣が謀叛を企図している場合があるであろう。

若夕墜而光耀天者、其下兵疫。

もし夕べに墜ちて光の天を耀(かがや)かす者あらば、その下に兵疫あらん。

もし夕方に(星が)落ちて、その光が空に広がるようなことがあったら、星の落ちたところでは、戦争と疫病が起こるであろう。

どんどん悪いことが・・・

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でも、今日は昼間に星が見えた、というひとはいなかったようですので、まだ安心だ。

「霊台秘苑」巻十五より。同書は北周の時代に天文を所管した太史中大夫の庾季才が著し、宋の王安禮らが編修し直した星占の書である。

いすらむ国も無茶苦茶しております。もし昼間見えることがあったらいよいよなのかも知れません。みなさんも注意しておいてください。

 

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