平成26年9月14日(日)  目次へ  前回に戻る

孫子とその弟子?

本日も休日。シアワセである。

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シアワセなキモチのまま、昨日の続き。

―――軍隊を常山のヘビ・ソツゼンのように動かすにはどうする?

夫呉人与越人相悪也、当其同舟而済、遇風、其相救也、如左右手。

それ、呉人と越人は相い悪(にく)むも、その舟を同じくして済(わた)るに風に遇えば、その相い救うや左右の手の如からん。

えーとですね、呉の国と越の国はずっと争っているので、呉のひとと越のひとは仲が悪い。ところが、この二人が同じに舟に乗って江を渡ろうとしていたときに、突然風が吹いてきて舟が遭難しそうになったとしたら、二人は危難から逃れるために左の手と右の手のように心を合わせて協力しあうことであろう。

―――「呉越同舟」の出所ですね。

故事成語としての「呉越同舟」は「偶然」舟が遭難しそうになるわけだが、「孫子」の文脈では「兵士らを危地に追い込んでしまえば、お互い協力せざるを得ない」ということを言っているのである点、大人としては注意しておきたいね。

―――なるほど。

さて、こういうことであるから、

方馬埋輪、未足恃也。斉勇若一、政之道也。剛柔皆得、地之理也。故善用兵者、携手若使一、人不得已也。

馬を方(つな)ぎ輪を埋ずむるもいまだ恃むに足らざるなり。勇を斉(ひと)しくして一のごとくするは政の道なり。剛柔みな得るは地の理なり。故に善く兵を用うる者は、手を携えて一にせしむるごときは、人の已むを得ざるなり。

馬を繋ぎ、戦車の車輪を土に埋めて、陣を固めたとしても、そんなものは頼りになることではない。

兵士らの勇気を整え、みな同じように戦わせるためには、号令や法令などの軍の治め方を徹底しなければならない。剛強なる者も柔弱なる者もみな十分に働かせるには、土地の地勢を利用しなければならない。

こうやって、すぐれた用兵家は(みなが)手をつないで一つになったように戦わせるのだが、兵士らにしてみれば、そうするしか無いように仕向けられている、ということなのである。

以上。

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「孫子」九地篇第十一より。

わずか120〜130字の間に「常山の蛇」と「呉越同舟」という、戦艦なら大和と武蔵、超巨星でいえばヴェガとペテルギウス、ぐらいの故事成語界の巨星が二つも出てまいりました。「タメにならない」「役に立たない」「クズ」「ゴミ」と批判の強い当HP的にはこの数年無いぐらいにたいへん充実した「タメになりさ」の二日間でしたね。

明日も休み。どんどんシアワセになってきた。

 

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