平成26年8月1日(金)  目次へ  前回に戻る

←骨肉までも一気に吸い込む。

待ちに待った金曜日。うははー。気が大きくなってまいりました。

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気が大きくなるのはニンゲンだけではありませんのじゃ。

唐の時代の記録によれば、

綏県多蜈蚣。

綏県に蜈蚣多し。

陝西・綏州の地はムカデが多いので名高い。

単に多いだけでなく、この地方のムカデは「気」を持っている。ムカデのくせにオーラのような生体エネルギーがあるらしいのです。

気大者、能以気吸兎。小者吸蜥蜴。

気の大なる者は、よく気を以て兎を吸う。小者は蜥蜴を吸う。

気(生体エネルギー)の大きいムカデは、ウサギを吸いこんで食べてしまう。小さいムカデでもトカゲぐらいは吸い込んでしまう。

この「吸い込む」という行為が特徴的で、

相去三四尺、骨肉自消。

相去ること三四尺、骨肉おのずから消ゆ。

1メートル以上離れたところから、ムカデが「ぐぐう」と「吸い込む」と、吸い込まれた方は骨も肉もおのずと融けて消えていくのである。

瞬間移動とかワープみたいな感じで分子とか原子に解消されてムカデの体内に吸収されていくのでしょう。

おそろしいことではないかね。

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唐・段成式「酉陽雑俎」より。

それはおそろしいでしょうね。もっと巨大な「気」を持っているムカデなら、ニンゲンだって吸い込むかも。わはははー、そりゃ豪気だねー。

 

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