平成25年7月24日(水)  目次へ  前回に戻る

 

肝冷斎族はアルコール耐性がございません。それなのに飲み会が入ったせいで昨日までがんばっていた4号もついに今夜・・・。今日からはこのわしが担当いたします。

4号が昨日の「宿題の答え」というメモを残していっておりますので、今日はこれをご紹介しましょう。

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武芸十八般の中でいちばん弱いのは?

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十八番の「白打」

用之戦場、未必皆利。

これを戦場に用いるに、いまだ必ずしもみな利あらず。

これを戦場で使ってみても、どうもあんまり役に立たないのである。

という。

「白打」は「素手で打つ」、すなわち「素手」のことです。今日の言葉でいえば「空手」に該たる。

河南少林寺拳法天下所無、其僧游方者皆敵数十人。

河南少林寺の拳法、天下に無きところ、その僧にして游方者、みな数十人に敵す。

河南の少林寺に伝わる「少林寺拳法」は天下にほかには無いものである。その寺の僧であちこちに旅している者は、みな一人で数十人に相対することができる猛者たちだ。

そこで、

流賊乱時、有建議以厚賞募之、得精壮五百余。

流賊の乱るるとき、建議有りて厚賞を以てこれを募るに、精壮五百余を得たり。

掠奪しては別の地に流れて行く群盗である「流賊」が甚だしかったとき、朝廷において建議する者があって、厚く褒美を与えることとして少林寺の僧らを募集したところ、強壮な僧たち五百人以上を得ることができた。

賊聞、初亦甚憚之、与戦佯北、伺其夜襲撃、尽殲焉。

賊聞き、初めまた甚だこれを憚り、与戦して佯り北(に)げ、その夜を伺いて襲撃し、ことごとく殲(ほろぼ)せり。

群盗らはこのことを耳にして、たいへん恐れおののき、この一団と少し戦ったあといつわって退却した。そして、夜になって、僧たちが警戒を解いて休んでいるときを伺って攻め寄せ、みな殺しにしてしまったのである。

ということで、少林寺拳法の使い手は一人ひとりは強いのですが、

亦用之不得其宜也。

またこれを用うるにその宜を得ざるなり。

やはり彼らを活用するには、時と場合を得ないといけない、ということである。

というか結論として、

練兵不若選将也。

兵を練るは将を選ぶに若かざるなり。

兵隊一人ひとりを鍛えるよりも、これを率いる将軍に適切な人を得ることが重要である。

ということじゃ。

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へー、そうなんだ。「五雑組」巻五より。

4号肝冷斎がどこまで考えておったかはわかりませんが、だいたい現代「空手」の直接の源流である「沖縄空(唐)手」はチュウゴクの「白打」の影響を強く受けており(だから「唐」手という)、

「空手に先手なし」

が沖縄空手の大原則。

ところがこの世の中は

「先手必勝」

の厳しいセイブツ社会でございますから、「徒手空拳」の「空手」は護身にはふさわしいが、弱肉強食の競争社会ではやがてはじわじわと追い込まれていくことになるのでございましょう(か)。その前に「無為徒食」を旨とする肝冷斎族が滅んでいくのだけは確実だが。(T_T)

 

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