平成24年5月25日(金)  目次へ  前回に戻る

 

あきまへん。やっぱり薬戻してもらわないと・・・

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あたまくらくらするついでに、日本史の勉強ちまちょー。

問)次の(1)〜(3)の詩が描いている状況を、時代順に並べよ。

(1)

進駐胡兵颯爽過。  進駐の胡兵 颯爽として過ぐ。

満都斉唱太平歌。  満都斉唱す太平歌。

随波逐浪非吾事、  波に随い、浪を逐うは吾が事にあらず、

滄海横流竟如何。  滄海横流してついに如何せん。

 進駐のえびす兵士どもはかっこよく通り過ぎる。

 都中、ひとしく太平の歌を歌うている。

 波のうねり・浪のたゆたいに随い、追いかけるのはわしのやることではない。

 時代に流れは(長い時間のうちに桑畑に変わったという)滄海のなぎささえ横切って流してしまったのだ、わしに何ができようか。

 

(2)

今日よりも

もっと暑い日だった。 

あの八月十五日は。

人間の声だったので 

信じられぬ人もあつたという。

おどおどと途切れかすれて

降伏を告げるあの声が

 

(3)

怪光一綫下蒼旻、  怪光一綫、蒼旻より下り、

忽然地震天日昏。  忽然として地震い天日昏(くら)し。

一刹那間陵谷変、  一刹那間に陵谷変じ、

城市台榭帰灰塵。  城市台榭も灰塵に帰す。

此日死者三十万、  この日、死者三十万、

生者被創悲且呻。  生者は創を被り、悲しみかつ呻く。

死生茫茫不可識、  死生茫々として識るべからず、

妻求其夫児覓親、  妻はその夫を求め、児は親を覓(もと)め、

阿鼻叫喚動天地、  阿鼻叫喚 天地を動かし、

陌頭血流屍横陳。  陌(はく)頭に血流れて屍は横陳す。

殉難殞命非戦士、  難に殉じ命を殞(お)とすは戦士にあらず、

被害総是無辜民。  害を被るはすべてこれ無辜の民なり。

広陵惨禍未曾有、  広陵の惨禍はいまだかつてあらざるものなるに、

胡軍更襲崎陽津。  胡軍さらに襲う 崎陽の津。

二都荒涼鶏犬尽、  二都は荒涼として鶏犬も尽き、

壊牆墜瓦不見人。  壊牆・墜瓦 人を見ず。

如是残虐天所怒、  かくのごときの残虐、天の怒るところ、

驕暴更過狼虎秦。  驕暴さらに過ぐ狼虎の秦を。

君不聞、        君聞かずや、

啾啾鬼哭夜達旦、  啾啾たる鬼哭の夜より旦に達し、

残郭雨暗飛青燐。  残郭雨暗く青燐飛ぶを。

 あやしい光がひとすじ、青天より落ちてきた―ーー!

 すると、たちまちに大地は震動し空も日も暗くなったのだ。

 一刹那の間に山や谷の形も変わり、

 市街地も高い建物も灰塵に帰してしまった。

 この日、死んだ者は三十万人だ。

 生き残った者も深く傷を負い、悲しみの中で呻いていた。

 誰が死んだか、生き残ったのか。なにもわからない。

 妻を夫を探し求め、子は親を探していた。

 阿鼻地獄に響き渡っているほどの喚き叫ぶ声が天地にどよめき、

 道には血が流れ、死体が横たわっていた。

 この事件に殉じて亡くなったのは、軍人兵士ではないのだぞ!

 この大被害をこうむったのはーーーみんな民間人なのだぞ!

 広島のむごたらしい状態は世界にいまだなかったほどのものだったのに、

 えびすどもはさらに長崎の港町を襲うたのだ。

 二つの町は荒涼としてにわとりや犬さえ見当たらない。

 崩れた垣根と散乱した瓦ばかりで、人間はどこにいるのか!

 これほどの残虐行為を青天がゆるすはずがあろうか。

 驕り高ぶり暴虐なること、オオカミやトラに比べられた秦帝国よりはなはだしい。

 おお、きみには聞こえないのか。

 しゅうしゅうと亡霊たちが、夜を徹して夜明けまで哭き続けているあの声が。

 残骸となった都市の上から黒い雨が降り、青い人魂が飛び交っている。

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すぐわかったと思いますが、わからないひとは考えてみてください。しかし、えびすども、許せぬ。いつか、いつの日にか・・・。

ちなみに、(1)は蘇峰・徳富正敬「時事感懐」、(2)は秋山清「八月十五日」(抜粋)、(3)は竹雨・土屋久泰「原爆行」

 

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