↑寒そうですなあ。

 

平成21年 2月16日(月)  目次へ  昨日に戻る

ぎっくりなのです。しかも昼の仕事がエラいことになっているので、今日は「通関文」はお休みにさせていただき、この有名な詩を紹介して終わりにします。

仙客来遊雲外巓、  仙客来たり遊ぶ 雲外の巓、

神龍栖老洞中淵、  神龍栖み老(あら)す 洞中の淵。

雪如紈素煙如柄、  雪は紈素(がんそ)の如く 煙は柄の如く、

白扇倒懸東海天。  白扇倒(さかしま)に懸かる 東海の天。

その山の頂は雲のさらに上にあり、そこには神仙たちが集い遊ぶと申します。

その山の頂には窪地があって、その底には淵がある。そこには、不思議の竜が長く住みついている。

その山を覆う雪は、白い練り絹のようだ。その山から噴き出る煙は取り付けた柄のようじゃ。

よく見れば、東海の空に、さかしまに白い扇が懸かっているようである。

さて、この山は次のうちのどの山でしょうか。

@    阿蘇山

A    富士山

B    筑波山

正解者十人ごとに一人、抽選で肝冷斎主人画「掛瓢・曳尾」図が当ります。(正解者が十人に満たない場合は当たりませんので悪しからず)

ちなみに作者は丈山・石川嘉右衛門重之、江戸時代初期の詩人・・・ですが、もと家康に仕えて武勇を以て聞こえ、大阪の陣の際には陣触れを無視して先駆けして三つの首級を上げたのだそうじゃ。しかしこの軍規違反が原因となって東照宮の勘気を蒙り、以後、一時安芸の浅野侯に仕えたほかは、京都周辺に隠棲して死んだ(1583〜1672)。この経歴だけ見ると「東照宮の勘気」を理由に隠密でもしていたのではないか、とインテリジェンスブームなので思うかも知れませんが、違うようです。

この詩は安芸に行く前、故郷の三河で浪人していたときに作ったらしい。まだ本格的に漢詩を作り始めて間もないころの作品だそうですが、林羅山が「少しく奇あり」と評してそこそこ有名になった。ただし、結句の「白扇」はシナには無い物ゆえ、「和臭」(ニホン風)詩の典型と言われたりもします。

 

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